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機関紙『自治体の仲間』2015年 2月号 Vol.495 2015国民春闘 スタート すべての労働者の賃上げで景気回復を

すべての労働者の賃上げで景気回復を

2015国民春闘スタート
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▲荒馬座のお囃子を先頭に東京・丸の内仲通りから経団連までデモ行進

 「すべての労働者の賃上げで景気回復を! 2015国民春闘」が全国各地でスタートしました。東京では1月14日に春闘闘争宣言行動が行われ、午前中は厚生労働省前要請行動、昼から丸の内仲通りから大手町の経団連まで荒馬座のお囃子を先頭にデモ行進をし、首都圏を中心に集まった450人の仲間が経団連を包囲しました。

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 デモ終了後、プラカードを掲げた450人の仲間が経団連会館を包囲するなかで、国民春闘共闘・小田川義和代表委員が「物価の上昇に加え、賃金の17カ月連続の低下、あわせて下がることのない失業率、労働者人口の38%が非正規という状況だ」と指摘、「OECD(経済協力開発機構)はトリクルダウンを否定した。それでも経団連は大企業の成長こそが経済成長になるという考えを固持している」と批判し、「全国の仲間とともに旺盛に春闘にとりくもう」とよびかけました。

 各単産からの決意表明で、自治労連・中川悟書記長が「安倍政権は4月の増税にむけ5.5兆円、追加対策に3.5兆円と経済対策に9兆円を講じた。これは消費税増税による増収の7.5兆円を超え、かえって財政を悪化させた。自治労連は2015国民春闘と同時期に行われるいっせい地方選挙で、真の地方自治拡充にむけ奮闘し、全国で春闘に合流する」と力強く訴えました。

2015国民春闘スケジュール(2月~3月)

2月    地域総行動、諸団体への要請、対自治体要求行動
2月25日 一斉要求書提出日
      交渉ゾーン(~3月11日第1次回答指定日)
3月4日  労働者決起集会・中央行動
      12日~13日 統一ストライキを含む全国統一行動(50万人総行動)

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▲経団連会館を包囲し450人がシュプレヒコール


“いつもポケットに憲法を”

京都自治労連
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▲府職労連の「9の日宣伝」。ポケットサイズの『憲法手帳』に問い合わせ、激励が相次いでいます

201502-02-02

 1月8日、京都自治労連、京都府職労連、京都市職労は、憲法全文を掲載した『憲法手帳』を発行しました。

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 今年は戦後70年、そして「憲法を暮らしのなかに生かそう」と憲法擁護の運動を推進してきた蜷川虎三元京都府知事が憲法手帳を発行して50年の節目の年になります。

 さっそく1月9日の「9の日宣伝」で京都自治労連、府職労連が街頭宣伝。激励の声が寄せられるなか、用意した『憲法手帳』があっという間になくなりました。

 京都自治労連は、すべての職員に『憲法手帳』を配布し、仕事の原点に憲法をすえること、憲法運動を地域や住民に広げることなどを掲げ、府内すべての地域で「憲法が生きる地域と自治体をつくる『憲法自治体づくり』」運動にとりくみ、安倍政権の「戦争する国づくり」を許さず、憲法を守りいかす運動の先頭に立って奮闘しています。


「人間復興」のたたかいは続く

1.17 阪神・淡路大震災メモリアル 20年
201502-03-01

▲集会で20年メモリアル合唱団による「花はさく」の合唱

 今年1月17日で阪神・淡路大震災から20年。「震災20年メモリアル集会」の様子や、慰霊行事にとりくむ西宮市職労と芦屋市職労の仲間を通して被災地の現状や課題を紹介します。

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 神戸市内で行われた阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議主催の「東日本大震災と結ぶ阪神・淡路大震災20年メモリアル集会」では、福島の現状とたたかいについて原発問題福島県連絡会の早川篤雄代表が報告。

 愛知大学・宮入興一名誉教授が1990年の雲仙火山災害や阪神・淡路大震災から東日本大震災までの災害対策と復興の歴史や運動を報告。国の経済成長・開発型の「創造的復興」が被災者の生活再建や地域経済復興につながっていない問題などを明らかにしました。

 生活再建・生業回復型の「人間復興」をめざす住民の世論や運動が被災者の補償や復興などを前進させてきた教訓をふまえて、災害対策で、とくに災害復興と減災予防のシステムの構築が課題であると述べました。

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▲震災直後の『自治体の仲間』(1995年2月号)
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▲愛知大学宮入名誉教授

被災者支援、真の復興を願って

阪神・淡路大震災から20年

震災を語り継ぎ備えることが課題 西宮市職労

 西宮市では1月17日午前5時46分に西宮市震災記念碑公園で慰霊式が行われ、市民約300人が集まりました。

 公園入り口近くで西宮市職労の仲間が慰霊碑に献花するカーネーションを市民の方々に手渡していました。この献花ボランティアのとりくみはもともと市の事業として始まりましたが「現在まで継続しているのは組合が献花を残すよう運動してきたから」と森栗強委員長は話してくれました。

 震災直後に被災現場の最前線で仕事をしていた松井義博特別執行委員は、阪神・淡路大震災を経験している市職員が全体の4割となったなかで「震災を語り継ぐことや次への備えが今の課題です」と語ってくれました。

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▲献花用カーネーションを手渡す西宮市職労のみなさん
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▲左から松井特別執行委員、森栗委員長
『記憶』のバトンを次につなぐために 芦屋市職労

 芦屋市は1月18日、市内で「震災20周年事業」を開催しました。市職労は「震災を忘れない」とりくみとして市の事業へ積極的に参加し、訪れる住民にお手製のおしるこをふるまいました。

 夏川龍也執行委員長は「市職労は結成60年、震災20年という節目の年で、関連行事への参加を通じて、記念誌に震災の教訓を記録します。30歳以下の組合員が約4割と若い組織なので、『記憶』の継承が大切」と話します。

 また、被災地・宮城県石巻市に派遣されていた1年間を小説にした道路課・小山陽光さんは「復興の第一歩は『知る』こと。現状や被災自治体の職員が頑張っていることも伝えたくて小説を書きました」と復興への思いを語りました。

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▲おしるこを振る舞う芦屋市職労の組合員
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▲左から小山さん、夏川委員長


子どもたちに豊かな育ちと読書の喜びを

すべての学校に [専任] [専門] [正規] の学校司書を

第15回 学校図書館・公共図書館の充実を求めるつどいin東京
201502-04-01

▲全教・埼玉県高等学校教職員組合による「学校司書の1日・高校編」の寸劇

 「つどい」は、自治労連も参加する実行委員会主催で、1月12日に都内で開催され98人(自治労連は39人)が参加しました。13日には、自治労連教育部会と岡山県本部学校図書館部会幹事など12人で、学校図書館の充実を求め文部科学省へ要請行動を行いました。

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 集会では、親子読書地域文庫全国連絡会(親地連)事務局・学校図書館を考える全国連絡会の水越規容子代表が「学校図書館法が一部改正されたが、すべての学校に司書が配置されるわけではない。また正規で配置される保障はなく、非正規の司書が増えるおそれがある。改正法は不十分だが、これから司書を配置する運動の足がかりになる。すべての学校に専任・専門・正規の学校司書の配置の実現を」と訴えました。

 参加者からは「法『改正』の問題点を再認識し、付帯決議の重要性がわかった」「公共図書館はまさに民主主義の土台。学校図書館で子どもたちにその素地を培っていきたいという言葉は心強く感じました」など感想が寄せられました。


止めよう辺野古新基地建設

安倍政権の〝沖縄いじめ〟に怒り

1・15東京報告集会
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▲辺野古新基地建設阻止に決意を固める400人の参加者

 安倍首相は、新基地建設中止を求めて上京し官邸を訪問した翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事や沖縄県会議員団との面会を拒否し、民意を無視する態度です。

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 そのようななかで、「止めよう辺野古新基地建設実行委員会」の主催で、1月15日に都内で集会が開催され、「オール沖縄」国会議員をはじめ400人が集まり、沖縄と本土が連帯する熱気に包まれました。

 集会では沖縄県議4人から、辺野古沖工事が強行再開され、海上とキャンプシュワブ前ゲートでは、抗議行動をする沖縄県民と海上保安庁、沖縄防衛局とが激しく対峙する状況が連日続いているなどの報告がありました。続いて建設断念まで連帯する決意が各団体から表明されました。


生活改善につながる賃上げを

自治労連2014~15年 要求・職場アンケートより

 アンケートは、民間労働組合とともに15春闘へ向けた要求づくりに参加するために、多くの単組が昨年の9・10月から実施し、これまで4万5818人の仲間の声を集め、全労連・国民春闘共闘会議に提出しました。昨年の春闘から続く、賃上げの流れを確実にするために、全国で要求実現の活動にとりくみましょう。

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物価高のなか56.5%が「生活が苦しい」と訴え

生活実態

 年間収入は、人勧プラス改定や最低賃金引き上げの影響もあって、昨年に比べ「増えた」が24.0%(昨年17.5%)と増加し、「減った」34.4%(44.4%)となりました。

 しかし、生活実感は、消費税増税や円安による物価高を反映し、「かなり苦しい」と「やや苦しい」を合わせて56.5%と、今年も半数を超えています。

 さけられない「住宅関係費」36.5%、「税金・社会保険料」26.3%、「食費」26.5%、「教育費」22.2%等の支出に負担感が高まり、昨年にもまして「食費」45.7%、「被服費」44.8%、「教養・娯楽費」36.7%などを切り詰めざるを得ない実態が明らかとなりました。

201502-06-01

【生活実態】

要求は月額「1~3万円」、時給「100~400円」に集まる

賃上げ要求

 賃上げ要求額は、月額回答者で「1万円」が30.8%、「3万円」19.3%、「2万円」17.3%、時間額では、「100円」が30.2%、次いで「400円以上」15.2%(昨年17.1%)、「200円」13.5%(13.2%)となりました。

 平均額は、月額2万3806円、時間額161円と、昨年に比べ月額で972円、時間額で10円ほど下がっていますが、要求額の山は月額「1~3万円」、時給「100~400円」に集まっており、全労連・自治労連の統一要求、誰でも「月額2万円以上、時間額150円以上」の要求額を裏づける結果となりました。

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【賃上げ要求(月額)】

政治の流れを変え、景気回復、被災地復興を

政府への要求

 対政府要求では、生活改善へとつながる「景気対策、中小企業振興」60.9%、「公務員賃下げ、公共サービス切り下げ反対」38.1%のほか、復興の遅れを反映した「震災復興、被災者の生活再建、原発事故損害賠償」40.0%、「原発事故収束、再稼働阻止・原発ゼロ」30.7%、さらに「年金改善と最低保障年金制度確立」40.8%が高い割合となりました。

201502-06-03

【政府への要求で実現したいもの】

4割が家計を担う、賃上げに強い要求

臨時・非常勤・嘱託、派遣・委託労働者

 非正規職員は「自分を含む複数」を加え、39.1%が主たる生計を担っています。最賃引き上げなどで時間単価は上がりましたが平均労働時間数が約3時間減り、賃金実態は時給平均890円(昨年965円)、月額平均も13万8224円(14万8534円)となりました。改善要望は「賃金の引き上げ」33.2%、「ボーナスの引き上げ」16.5%の他、「雇用の安定」13.3%(13.6%)という結果となりました。


主張 2015国民春闘

安倍「暴走」政治ストップ、大幅賃上げで景気回復を

 2015年国民春闘がはじまりました。15春闘は、安倍政権の「世界で一番企業が活躍しやすい国」づくりと「戦争する国」づくりのための「暴走」にストップをかけるとともに、同時にたたかわれるいっせい地方選挙で、地域・職場から憲法をいかし、住民のいのちとくらしを守るための地域づくりをすすめる歴史的な意義をもっています。

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 14年4月からの消費税増税とアベノミクスの円安誘導政策にともなう物価上昇に賃上げが追いつかず、労働者の実質賃金は17カ月連続のマイナス、前年比で約3%の大幅な落ち込みとなっています。日本経済が低迷するもとで、全労連・国民春闘共闘が一貫して掲げてきた「大企業の内部留保を活用し、すべての労働者の大幅賃上げで景気回復を」とのスローガンの実現が今ほど求められているときはありません。

 自治労連は、すべての労働者の賃上げをめざし、全労連・国民春闘共闘の「誰でも時間給1000円以上、日額8000円以上、月額17万円以上」の賃金底上げ統一要求と「時間額150円以上、月額2万円以上」の賃上げ要求と同時に、賃上げの流れに逆行し地域経済のさらなる疲弊につながる「給与制度の総合的見直し」による世代間、職種間、地域間分断と更なる格差拡大を許さないたたかいを公務・民間共同ですすめます。

 今、根拠のない「自治体消滅論」を口実にした「地方創生」が進められようとしています。これは地方衰退の原因を各自治体の地方活性化の努力の問題にすり替え、地方に「光」をあてた予算への期待の演出によりいっせい地方選挙を乗り切り、新たな「選択と集中」で地方を競わせて自治体再編により道州制への地ならしをすすめるものです。

 15春闘と同時にたたかわれるいっせい地方選挙で、地域破壊の「地方創生」ではなく、「地方再生」と国の悪政の防波堤として住民が安全・安心に生活できる自治体、自治体労働者が誇りと働きがいを持って働ける自治体の建設に向けて奮闘しましょう。

 安倍内閣は国民の多数が反対しているにもかかわらず、総選挙で信任されたとして労働法制の大改悪、消費税再増税、原発再稼働、集団的自衛権行使の具体化などを強行しようとしています。職場での学習をすすめながら、安倍「暴走」政治に職場・地域からストップをかける共同をいっそう広げる春闘にしていきましょう。


憲法キャラバンで3自治体と意見交換

「閣議決定で変えるのは乱暴」

長野県自治労連
201502-08-01

▲東御市・花岡市長(写真左上)との懇談の様子

 長野県自治労連は11月22日に全労連「かがやけ憲法キャラバン」にあわせ、現在の執行部役員にとっては初めてとなる憲法キャラバンを実施しました。きちんとした懇談になるか不安もありましたが東御(とうみ)市、上田市、坂城町の3自治体を訪問し、懇談しました。

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 上田市では総務部長が、憲法問題で「私たちは憲法や条例に沿ってやっていく」との話がありました。坂城町では総務課長が「集団的自衛権の行使容認に反対する意見書が議会で採択された」ことなど町としてのとりくみを紹介しました。

 東御市との懇談では、花岡利夫市長が率直に「(みなさんと)若干違う。憲法に沿ってやることも憲法の望むところであるが、そぐわないところは変えることも考えなければならない」と語りました。「そぐわないこと」を確認すると「軍事力を保持しないは無理がある」と述べました。しかし、「閣議決定で変えていくことは乱暴」とも語りました。また、アベノミクスは「非常に低い成功確率の選択をしている。失敗する場合のことも考えて行政運営していかなければならない」と語りました。

 『こんな地域と日本をつくりたい』リーフレットを活用し、話を進めると、行政についてのそれぞれの考えや思いも出て、3カ所とも予定の1時間はあっという間に過ぎてしまい、今後の実施に向けて自信もつきました。長野県は坂城町など自立を選択した自治体も多く77市町村あり、まだ道のりは長いですが、一歩ずつ進めていきます。


100人の参加者で保育課長に要請

保育所ふやして待機児童なくそう

東京・目黒保育アクション
201502-09-01

▲パレード終了後目黒区保育課長に要請

 目黒区職労保育園支部や保護者、公立・私立保育所ではたらく職員などでつくる目黒保育問題協議会は昨年12月7日、待機児童をなくそうと「目黒保育アクション」を展開しました。

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 この保育アクションは2年目ですが協議会の歴史は長く、毎月会議を開催し、保護者と職員とのつながりを大事に保育課題にとりくんでいます。

 保育アクションでは、仮装など楽しく工夫を凝らしたパレードを行いました。パレード終了後は集まった100人近い参加者で、保育課長が待つ目黒総合庁舎のエントランスで、要請を行いました。参加した保護者らは「転居してきて保育事情の厳しさに愕然とした」「下の子を認可保育園に預けたいが入れず、認証は10カ所以上あたったが入れなかった。来年の入園にむけ選考の決め手となる基準指数を高くするためにベビーホテルなどを利用している。子ども2人で20万円の保育料で、保育園に入れるために働いているようだ」と切実な実態を訴えました。保育課長は、保護者からの切実な声を受け止め、認可保育園の整備に努力していきたいとコメントしました。

 今後の運動として協議会では「12月の保育申込み時期の行動も大事だが、春の待機児童問題が表に出てくる時期にも行動しよう」と議論しており、待機児童の問題解消のとりくみをより目に見える形で展開していきます。


すすむ非正規公共評 – (2)

「7・4公務員部長通知」活用し雇い止め廃止へ

大阪・公務公共一般 門真市アルバイト保育士分会
201502-10-01

▲雇い止めを廃止させ、処遇改善をめざす門真市アルバイト保育士分会のみなさん

 2009年の門真市公立保育所4園の民営化後、残された3園で働く非正規保育士の雇用契約は、空白期間のない継続更新から1カ月空けての契約更新と変更され、事実上1カ月の雇い止めの状況でした。

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 1カ月の未契約期間は、無収入になることと社会保険の切り替え問題などもあり、職場では不安と不満が渦巻いていました。また、0歳児や障害児を受け持ち、クラス担任を担っている保育士もおり、1カ月の未契約期間は保護者との信頼関係にも不信をもたらしていました。未契約期間の撤廃を求める声が日増しに大きくなりました。すべての非正規保育士の最重要課題であり、要求でした。

 分会として毎闘争時期に撤廃を求めて門真市当局と交渉を繰り返してきました。こうした保育士分会の切実な要求に耳は傾けるものの、撤廃には消極的だった門真市当局に対し、2014年夏季闘争では「7・4公務員部長通知」を活用し、1カ月の未契約期間に法的根拠のないことや再度任用も問題がないことを強く訴え、早期撤廃を求めました。

 その結果、2014年末交渉で「次年度4月から1カ月の雇い止めは廃止」の回答を勝ち取りました。有給休暇の労基法通りの附与など、課題が残されていますが引き続き交渉で処遇改善をめざします。


安倍内閣の「地方創生」とはなにか – シリーズ(3)

「地域が豊かになる」ためには

ナショナルミニマムを保障し、貧困と格差をなくしてこそ

 安倍内閣の「地方創生」は、特定の都市部に大企業本位の投資を集中し、周辺の地域を統廃合する地域破壊の政策です。TPP参加や派遣労働の拡大、規制緩和による福祉や安全の切り捨てなど「世界で一番大企業が活動しやすい地域」をつくるのがねらいです。地域破壊を許さず、国の責任でナショナルミニマムを保障し、貧困と格差をなくして、住民が主人公の地域づくりをすすめましょう。

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 政府は昨年成立した「地方創生法」にもとづき、全国の都道府県、市町村に今後5年間で地域版「総合戦略」を策定する努力義務を課し、公共施設や小中学校の統廃合も併せて検討するように求めています。石破地方創生担当大臣は、地域版「総合戦略」を策定するメンバーに、地方の財界代表を入れ、政府や大企業が求める「地域政策」を自治体や地方に持ち込み、住民に負担と犠牲を強いる「戦略」づくりは許せません。

 地域が豊かになるために必要なことは、①住民が、全国のどこに住んでいても憲法が定める健康で文化的な最低限度の生活が営めるように、国の責任でナショナルミニマムを保障すること、②地域の中小商工業・農林水産業を振興し、子育て支援などの施策を充実させて地域の貧困と格差をなくすことです。地域版「総合戦略」は、住民参加、住民合意で策定されなければなりません。

 いま、地域の格差是正や子育て支援について国の責任を求める意見が、全国知事会や市長会、町村会など地方団体からもあがっています。人件費削減など「行革努力」を地方交付税の算定に反映させる政策誘導に対しても「地方自治の理念に反するものであり、改めること」とする地方議会の意見書も多くあがっています。地域の再生に向けた、住民、自治体関係者の共同が大きく広がる条件が生まれています。自治労連は2015国民春闘において、憲法と地方自治をいかし「こんな地域と日本をつくりたい」という政策提言案を持って、全国各地で住民、自治体首長との懇談をすすめます。

地域の格差是正へ
地方団体、地方議会からも国への意見が

「人事院勧告は、官民を通じて地域間格差が拡大することとなりかねない」「地方と都市部の格差が一層拡大することのないよう適切な措置を講ずること」
地方3団体声明(2014年8月7日)

「国は、全国一律に実施すべき子ども医療費の無償化、保育料・幼稚園授業料負担の軽減、産科・小児科等の地域医療の充実、地方の働き場の創設などを実施すべき」
全国市長会緊急アピール(2014年10月24日)

「行革指標に基づく地方交付税の算定は、地方自治、地方分権の理念に反するものであることから、このような算定を改めること」
岩手、宮城、和歌山、広島、高知の県議会など


2015国民春闘 地域で共同を広げてたたかおう

自治労連 第50回中央委員会
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 第50回中央委員会を1月29~30日に名古屋市内で開催し、初日に関口裕志書記次長から新規加入組合承認の提案があり、5つの組合の自治労連加入が承認されました。その後、中川悟書記長から「自治労連2015年国民春闘方針(案)」など提案され、方針案を積極的に受け止めた中央委員28人の発言の後、満場一致で承認されました。

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Welcome 新規加入組合紹介

これからも組合に仲間を増やしていきたい

山口 光留守家庭児童教室労働組合

 私たちは、パート職員の労働組合です。私たちの職場は10年以上働く仲間でも半年更新で1年ごとに履歴書の提出を繰り返しています。当局になかなか私たちの意見を聞いてもらえず、これでは子どもたちの安全を守れないと組合を結成しました。これからも仲間を増やしていきたいと思います。

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▲柳田裕子委員長(右)大久保佐恵子副委員長

組合員のための組合をめざします

長崎 自治労連長崎公共交通労働組合

 長崎公共交通労働組合は、長崎県営バスの労働組合です。日本には市営バスはたくさんありますが、県営バスは長崎しかありません。

 私たちの組合には「組合は組合員の組合であれ、組合執行部の心得」のなかに「組合は組合員の利益のために尽くせ」など7つの心得があります。これからも組合員のための組合をめざして奮闘します。

201502-12-03

▲橋口達成書記長

子どもによりよい平和な社会を自治労連とともに

島根 こばと保育園労働組合

 こばと保育園は、園児36人の小さな認可外保育園です。子どもの人権と成長・発達過程を大切にし、自然を生かした保育や、リズム運動などの実践に努めていて、元気で活発な子に育っています。今後は、施設の新設と職員の労働条件の改善を図り、また、子どもにより良い平和な社会をつくるため、自治労連とともにがんばっていきたいと思います。

201502-12-04

▲山﨑教也組織拡大専任者

全国のみなさんと息長く活動したい

三重 四日市文化まちづくり財団職員労働組合

 四日市市の外郭団体の文化会館・まちづくり財団・国際交流協会や土地開発協会公社・地場産業振興センターなどで働く職員で構成する組合です。組合を結成したのは土地開発公社が経営悪化による存亡の危機だった12年前のことでした。

 みえ自治労連の応援で外郭団体すべての職員が参加できる組合を作りました。全国のみなさんとともに息長く活動したいと思います。

201502-12-05

▲服部綾子副委員長(右)木村香広報担当

組合活動のレベルをさらに高めていきたい【オブザーバー加盟】

三重 四日市市職員労働組合

 四日市市職労は9月の定期大会で自治労連へのオブザーバー加盟が承認されました。自治労連と四日市市職労は以前から協力・共同して活動してきました。

 四日市市には市立病院労働組合と上下水道労働組合があり、私たちの組合と一体で運動しています。これを契機に組合活動のレベルをさらに高めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

201502-12-06

▲葛山善次副委員長


共同広げ地域医療を守り発展させよう

201502-13-01

▲鹿児島大学・伊藤周平教授の記念講演の様子

地域医療と公立病院の充実を求める学習・意思統一集会

 政府の社会保障費削減を中心にした医療費抑制政策のもとですすむ自治体病院と地域医療の危機は深刻です。自治労連がすすめてきたいのちと地域を守る運動を継承し、全国のとりくみを大きくすすめるために1月25日、第8回「いのちと地域を守る学習・意思統一集会」を開催しました。

 記念講演では、鹿児島大学の伊藤周平教授が医療・介護一体となった悪政で、地域医療崩壊を加速させる政府の政策に対して、自治体病院の役割を知らせ、住民とともに自治体、医療団体との連携で地域医療全体を守り発展させる運動の大切さが話されました。

 特別報告やフロアからの運動交流では、公立病院の経営形態が大きく変わっていくなかでも、地域医療と住民のいのちと安全を守るために日々奮闘する全国のとりくみが相次いで報告され、引き続き医療分野での「対話と提言」の運動の具体化を図るとともに組織の拡大と強化をすすめることを意思統一しました。

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医療関係府省・団体への要請懇談行動

 翌26日には、総務省、厚生労働省、全国自治体病院協議会、日本看護協会との要請懇談行動を行いました。

 厚労省への要請には、全国から15人が参加し、昨年秋に全国の病院職場でとりくまれた「看護職員の労働実態アンケート」(中間報告)も示しながら厳しい医療職場での実態を報告し「雇用の質」の向上のために積極的な対応を求めました。このなかで職場での労働基準法違反に対しては、厳しく対処することが回答されました。

 日本看護協会との懇談では、協会から「2014年実施夜勤交代制勤務ガイドラインの普及状況に関する調査結果」や「看護職の賃金について(調査結果と見解)」が示され、勤務条件や賃金改善のためには、もっと積極的に労働組合が具体的な提案を行っていくことなど率直な意見交換を行いました。引き続き運動での一致点を大切にお互いに努力していくことを確認しました。

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▲厚労省に要請文を手渡す福島功副委員長


今月の連載・シリーズ


いいとこよりみち発見伝

第10景
千葉・南房総市
全国トップの8つの道の駅

春だ! 花だ! イチゴだ!


かがやきDAYS

〔10〕
徳島自治労連 船越 昌一(しょういち)さん
ドンと来い「太鼓の会こだぬき」25年

まちコレ

Collection10

うレシピ

第41品
埼玉・ふじみ野市職労 大河内 一さん
豚肉と大根のしょうが焼き

ポークに大根はうまいでショーガ!