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機関紙『自治体の仲間』2018年 9月号 Vol.538 自治労連第40回定期大会

共同の輪広げ さらなる前進勝ちとろう

自治労連の役割を発揮し憲法がいきる地域・職場を

自治労連第40回定期大会 8月26~28日 大阪府・堺市

▲これからの自治労連運動に決意を語る青年

自治労連第40回定期大会は「安倍改憲NO!『全体の奉仕者』の役割を発揮して、憲法がいきる地域・職場をつくろう」をスローガンに8月26~28日、大阪・堺市内で開催されました。前日に開かれた補助組織・部会の事前会議を含め、のべ2450人が参加し、2018年度運動方針を含むすべての議案が採択・承認されました。

憲法「改正」への動きが強まり、さらに自治体職場に対する民営化・民間委託の強要と公務員総人件費削減政策が推進された結果、公務の担い手である職員の大幅削減、職員数の不足による長時間過密労働が広がっています。これにより、自治体現場はまさに危機的な状態に追い込まれ、公務公共サービスの後退を余儀なくされています。

このもとで、自治労連は、「こんな地域と職場をつくりたい」の運動を提起し、地域に出て住民の要求実現をはかるとともに、長時間労働の解消、人員確保などを柱とする運動をすすめてきました。

職場を基礎に活動の実践から成果

この大会では、代議員から正規・非正規ともに職場を基礎にした活動の実践が語られ、「職場集会」「職場訪問」で仕事の状況や仲間の状態を聞き取り、アンケート調査なども活用しながら現場の実態を反映した報告書や要求書を団体交渉で当局に突きつけて、人員増や労働条件の改善を実現させた経験が報告されました。

また、すべての労働者が生活改善できる賃上げ、格差解消へ全国一律最低賃金制の確立、均等待遇を実現させるため、共同の輪を広げた賃金闘争を結び合わせた「全国統一闘争」を推進する運動が全国でとりくまれています。このなかで職場を守り労働条件を改善しようと結成された3つの単組が自治労連へ加入。「自治労連運動とともに、職場や地域で奮闘する」と決意を語りました。

また、会計年度任用職員制度に対して「正規・非正規つなぐアクション」のもと各地ですすめられている学習や要求活動の前進と組織拡大の成果が報告されました。

被災地で支えあう自治労連の仲間

8月の西日本豪雨災害の被災地自治体職員が「住民のために」と不眠不休で奮闘する姿や、それを支える労働組合の実践の報告、応援職員やボランティアとして、また、カンパという形で支える自治労連の仲間への感謝や励ましの発言が相次ぎました。

憲法にもとづく地方自治の発展をめざす

住民のいのちとくらし、安全・安心の地域の実現にむけ、憲法を守り、地方自治を守る自治労連運動への共感が広がった定期大会となりました。


現地歓迎行事

心に響く歌を参加者に届ける

衛都連合唱団&府庁うたごえ合唱団

大会2日目昼休み、自治体職場で活躍する2つの合唱団が歌声を会場いっぱいに響かせました。

1986年結成の衛都連(大阪衛星都市職員労働組合連合会)合唱団が、「出発(たびだち)の歌」「青葉の歌」「この少年は」を合唱。続いて、1964年結成の(大阪)府庁うたごえ合唱団と一緒に、全労連結成を記念して創作された「旅のはじまり」と自治労連20周年記念創作コンクール入賞曲「絆(きずな)」の2曲を歌いました。心に響く歌をひさしぶりに聴けたと好評でした。指揮は守屋博之さん、ピアノは門万沙子(かどまさこ)さん。全国のうたごえ運動を代表するお2人です。


台風21号 北海道地震

カンパのお願い

▲台風被害にあった大阪府岸和田市内の大阪府民センター

9月4日に四国・近畿地方を襲った台風21号は大きな被害をもたらし、続けて9月6日未明に北海道を襲った地震でも、多くの被害が出ています。自治労連は、被災地で奮闘する仲間の支援とともに被災者支援カンパにとりくみます。また、大阪北部地震、西日本豪雨災害への支援も継続してとりくみます。


執行委員長あいさつ 要旨

住民のくらしと権利を守る仕事に誇りを

自治労連中央執行委員長  猿橋 均

今回の大会は、政治の私物化など末期的な状況でありながら、「9条改憲=戦争する国」「大企業がぼろもうけできる国」づくりを強行する安倍政権に対し、平和・核兵器廃絶、貧困・格差の拡大と固定化の解消、賃上げと社会保障の拡充などを求める国民・労働者の声が対峙するもとで開催されます。

救援・復興・支援に奮闘する仲間

6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨災害では、自治体・公務公共職場に働く仲間が、住民の救援やインフラなどの復旧に全力をあげています。平時はもちろん、災害のときでも憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する役割を私たちは担っています。

予算人員闘争の本格的な実践を自治研全国集会へ

しかし、総務省の「自治体戦略2040構想研究会」報告は、都市部と地方の格差拡大や、人口・労働力減少への抜本的な政策を放棄したまま、「圏域」の法制化など戦後地方自治の解体をねらっています。安倍政権の「公務員総人件費削減」「公務サービスの産業化」、さらに「戦後地方自治制度の解体」は、私たちの労働条件悪化にとどまらず、国民のくらしや権利を脅かすものです。

「全体への奉仕者」の役割を果たす上で、必要な人員体制と予算を確保する「こんな地域と職場をつくりたい」運動の本格的な実践をすべての地方組織・単組で広げ、あわせて10月6~7日に高知で開催される第14回地方自治研究全国集会を成功させましょう。

結成30年を組織拡大・要求実現の飛躍の年に

賃金・権利闘争では、全国一律最賃制の法制化や、自治体臨時・非常勤職員への均等待遇実現、労働者の雇用安定と適正賃金確保、公契約条例制定のとりくみを、生活保護基準の引き上げや社会保障拡充の課題とも結合し、労働者・国民の共同要求につなげましょう。また2020年4月に迫った会計年度任用職員制度施行にむけた全国的な統一闘争をすすめていきましょう。

組織の拡大・強化では、自治労連結成の原点である「自治体・公務公共職場に働く、すべての労働者の団結の母体」として、未加入の仲間に「労働組合に入って、切実な要求の実現を」の働きかけを強めましょう。

自治労連は来年3月に結成30年を迎えます。増勢はもちろん、基本目標である「30万自治労連・10万非正規・公共」への接近を図る飛躍の年にしようではありませんか。

最後になりましたが、定期大会開催にあたって、ご尽力いただいた大阪自治労連と単組のみなさんに、心よりお礼を申し上げ、あいさつとします。

▲大会議長団 左から、浦中耕一郎さん(佐賀)、倉畑和世さん(大阪)、山下昌律さん(長野)


補助組織・部会の事前会議

青年同士の積極的な学習と交流で活気ある組合活動を

青年部

24地方組織から役員等含め127人が参加。討論では、青年部活動の活性化、フィールドワークを通じた平和活動、職場や仕事を語り、地方自治を充実させるとりくみ等、多彩なとりくみやイベントの中心に青年の姿があったことが語られた。青年同士の交流や学習にとりくみ、「青年自治研究集会」、「青年未来づくりプロジェクト」を含む6本の運動方針と大会宣言を採択した。
▼部  長 大下 真一(京 都)
▼書 記 長 西脇 啓太(愛 知)

つながろう・つなげよう女性の運動を

女性部

25地方組織102人が参加。「働き続けられる職場」づくりのとりくみで、育休代替問題、子の介護休暇拡充、非正規の職員の権利拡充、母性保護など、多くの発言があった。「自治体で働く女性のつどい」を昨年成功させた愛知、今年開催の岩手から、開催にあたって多くの若年層の仲間がとりくみに参加、集い終了後も女性部のとりくみに参加するなどの発言に参加者が励まされた。
▼部  長 田頭 愛美(愛 媛)
▼書 記 長 宮川百合香(京 都)

仕事の専門性に確信をもち要求実現に向け一致団結

現業評議会

24地方組織56単組142人が参加した。総会では、災害対応時に、培った仕事の専門性を発揮し、避難所の運営、被災者への給食の提供、災害廃棄物の処理などで住民生活を支えていることに確信を持とうと呼びかけた。討論は、現業署名の推進、現業採用、豪雨災害の復旧、現業職員がいなくなり評議会が解散した状況など発言があった。要求実現に向け一致団結して奮闘することを確認した。
▼議  長 岸本 弘幸(京 都)
▼事務局長 尾崎 秀敏(神奈川)

市民のための上下水道事業を住民とともに

公営企業評議会

17地方組織56人が参加。コンセッション方式導入は水道や下水道だけの問題ではない。大阪市では住民共同で阻止した。公企評はその力となる政策・情報発信そして組織強化が重要と議長があいさつ。方針提起では、水道法「改正」が迫っているが議論し市民と対話しよう。水とエネルギー、公共交通政策などの歴史を青年のつどい公企集会で学習・政策議論を続けようと強調。討論に6人が発言。
▼議  長 植本 眞司(大 阪)
▼事務局長 近藤 夏樹(愛 知)

職場や地域で誇りと怒りのたたかい広げ要求実現めざそう

非正規公共評

33地方組織55単組(団体)123人が参加。会計年度任用職員制度には組織強化・拡大が重要。国は導入を急かしているが、全国的に遅れ気味。当局任せでなく、組合主導の「正規・非正規つなぐアクション」の実践が確認された。討論は26人の発言で、西日本豪雨災害支援へのお礼、正規と非正規で復旧にあたっている実態、雇い止め撤回、組織拡大、処遇改善など多彩なとりくみが語られた。
▼議  長 天野 賢一(神奈川)
▼事務局長 松尾 泰宏(本 部)

憲法いかし住民生活を守る労働条件改善と組織強化拡大を

医療部会

22地方組織55単組111人が参加。住吉市民病院問題と市民運動、ワークショップを通じての仲間づくり、松坂区域医療構想に対するたたかい、超勤調査・超勤パトロール、県立病院新改革プラン(千葉)へのとりくみなど12人から発言があった。
戦争法をはじめあらゆる悪法を許さない、地域医療の充実、組織拡大強化、労働条件改善をめざすと全員で確認し、閉会した。
▼議  長 鮫島  彰(神奈川)
▼事務局長 矢吹 義則(東 京)

子どもの権利を守り、保育労働者の労働条件向上をめざそう

保育部会

54地方組織から87人が参加し、20人が発言。各地の報告では、保育士不足など現場の実態が浮き彫りになった。一方で、住民や民間の保育所と共同するとりくみも報告。すべての子どもに格差ない保育を受ける権利を保障するため、保育制度の改善や保育予算の増額を求めるとりくみ、学習や共同の運動をすすめることが重要。保育労働者の処遇改善や組織化を柱に、団結し運動をすすめていく。
▼部 会 長 高橋 光幸(東 京)
▼事務局長 武藤 貴子(愛 知)

地域・住民の安心と健康づくり運動を前進させ公衆衛生を発展させよう

公衆衛生部会

8地方組織26人が参加し8人が発言。大規模な自然災害が頻発するなか、保健師を中心とした医療技術者の働きは被災者の命と健康を守る重要な役割を果たしている。地域・住民の安心と健康づくり運動の前進、憲法9条・25条を守り、公衆衛生行政の拡充・強化をめざす活動報告と方針を確認。保健所の市場開放化、人員減問題、長時間労働などが議論され、とりくみの奮闘を誓い合った。
▼部 会 長 石原 昭彦(神奈川)
▼事務局長 山口  浩(大 阪)

「人権としての社会保障」の確立をめざして

社会福祉部会

総会には10地方組織、21単組から35人が参加。安倍政権下で自己責任が強調され、「支えあい・分かち合い」の名のもと「地域」に丸投げされる動きに対し、「人権としての社会保障」の確立をめざす制度改善と運動を提起する全議案が承認された。障害福祉や児童相談所での長時間残業、次々に出される通知に学習が間に合わない現状や民間委託等市場化から守るたたかいが報告された。
▼部 会 長 宮本  茂(大 阪)
▼事務局長 二見 清一(東 京)

住民と連帯して、民主的教育の充実めざそう

教育部会

7地方組織22人参加。会長あいさつの後、経過報告と運動方針・基本要求案が提示された。参加者から、公立図書館への指定管理者制度導入阻止、公民館、学校図書館でのたたかい、市民と協働した歴史遺産を活かしたまちづくりなど実践報告があり学びあった。
討論では15人が発言した。それぞれ職場で地道に活動を積み上げ、住民と連帯し、民主的な教育の実現をめざそうと確認し終了した。
▼部 会 長 中野 正明(東 京)

税務職員として誇りと喜びの持てる職場へ

税務部会

5地方組織14単組から27人が参加。自治体リストラや職場組織の変革で公平公正な税務行政に支障が起きている現状に対し、納税者に信頼され、税務職員として誇りと喜びの持てる職場をめざす運動が提起された。「窓口の民間委託で業務が繁雑化、待ち時間が増大している」「徴収業務が広域連合に移管され職員は2~3年の派遣。市町村の組織が育成されるのか」などの発言があった。
▼部 会 長 原田 達也(大 阪)
▼事務局長 伊藤 幸男(東 京)

安倍政権NO! 総労働時間短縮、組織拡大の追求

都道府県職部会

13地方組織36人が参加。憲法改悪阻止と戦争法廃止、総労働時間短縮、組織強化拡大・単組拡大支援の3本柱の活動方針を提起。参加者からは新採説明会での組合加入、退職手当削減緩和と熱中症の職場点検で存在をアピール、働きやすい職場ワークショップ、中核市への保健所機能移管問題、時間外勤務の増加・小池都政の疲弊、2年間で530人の定員増などの発言があった。
▼部 会 長 森  吉治(京 都)
▼事務局長 杉田  厚(神奈川)

問われる自治体の役割 住民・職場を基礎に運動

政令都市職部会

10地方組織18単組から45人が参加した。総会では、地震や豪雨などの災害があるなかで、自治体の役割が問われている。沖縄の平和と地方自治を守るたたかい、確定闘争でのたたかいの前進とともに、そのためにも組織の拡大が重要だと強調。討論は、非常勤職員の処遇改善や現業採用試験の再開を勝ち取った(埼玉)など18人が発言。職場を基礎にし、住民とも運動をすすめることを確認した。
▼議  長 小林 竜雄(京 都)
▼事務局長 森田 昌宏(神奈川)

モラルハザード安倍政権に抗し自治体労働者の生き様で勝利を

都市職部会

21地方組織58単組89人が参加。安倍政権によってゆがめられた「全体の奉仕者」を改めて考える総会となった。単組間の連帯で国を上回る賃上げや人員増を実現(愛媛)、一部市議と当局による不当労働行為を市民との共同で跳ね返し和解(神奈川)、会計年度任用職員制度の説明会を重ねて組織化をめざす(千葉)など発言があり、要求実現と組織拡大強化に奮闘することを確認した。
▼部 会 長 伊藤 英一(愛 知)
▼事務局長 中島早登司(大 阪)

住民目線・住民本位の仕事で「小さくても輝ける自治体」を

町村職部会

11地方組織12単組17人が参加。住民目線で安心して住み続けられる地域をつくるため、地域住民と一体となって奮闘する方針と決意を総会で議論し確認された。討論では、非正規の組合をつくり賃金・休暇などを前進(岩手)、役員の若返りがすすんだ(京都)、業務量に見合った人員を要求し年度途中採用を勝ち取った(北海道)など、今後の励みとなる各地のとりくみが発言された。
▼代表委員 川村 五博(高 知)
▼事務局長 松本 英雄(岩 手)

組合員と一緒に運動推進『書記局運営の手引き』提起

書記部会

21地方組織1ブロックから74人が参加した。総会では、書記政策(案)の協議・実践をはかり、書記局機能の強化にむけたとりくみ、作成中の『書記局運営の手引き』(仮称)の活用など提起。討論は、被災地における課題、書記の雇用条件など13人が発言した。自治労連の運動の前進と組織拡大に書記の力を発揮し、要求実現のためにも、とりくみをすすめていこうと確認した。
▼部 会 長 松岡 寛哲(京 都)
▼事務局長 猪瀬 将紀(直 属)

歴史を後世へ伝え活動を発展させる

退職者会連絡会

31退職者会から計59人が参加した。激動の中で自治労連が結成され、来年30周年を迎えるもとで、あらためて歴史を伝える重要性を確認しあった。
参加者からは、年金制度の充実をめざす、野党共闘の発展で国民の声を無視する安倍政権の打倒、この間の集中的な災害による被災地への支援、退職者会の各種活動の前進、組織強化などについて、5人から発言があった。
▼会  長 城田 尚彦(東 京)
▼事務局長 長澤 政治(東 京)


【全掲載】代議員発言の要旨(敬称略)

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多様なつながり生かし青年自治研の成功へ

菊地 麻美(青年部)

青年アンケートのとりくみでは、労働条件の改善を求める声が多く出される一方、平和活動への関心が薄いことが判明した。すべての前提に「平和」の基盤が必要。労働組合が平和活動にとりくむ意義を青年部から「気軽に」提起し、参加者の裾野を広げたい。

青年が多様につながり合い、青年自治研の成功で今後の自治労連運動の基盤となれるよう奮闘したい。

つながろう・つなげようを合言葉に

宮川 百合香(女性部)

女性部大会では「働き続けられる職場」づくりのとりくみで、非正規職員の権利拡充、子の介護休暇拡充、部分休業の対象年齢引き上げ、子育てカフェなどについて発言があった。「自治体ではたらく女性のつどい」を昨年成功させた愛知、今年開催した岩手からは、役員育成や組織の活性化が報告された。「つながろう!つなげよう!女性運動」を広げていく。

災害対応にあたる現業職場「現業署名」のとりくみを

尾崎 秀敏(現業評)

事前会議では、この間の災害の緊急対応にあたるなど、現業職場の必要性はいっそう明らかになっていることを確認し合った。

現業職員の採用を実現した単組がある一方で行政職給料表(二)への移行等の賃金削減、定年延長もあるが、退職不補充が続き部会が解散するなど厳しい状況だ。9月からの「現業署名」を全国各地でとりくんでいただきたい。

住民本位の政策づくり共同に力を入れて

藤井 義隆(公営企業評)

公企評は労働条件改善、政策づくり、住民共同に力を注いだ。政策冊子『水はいのちです』を発行した。また、公営バスの仲間が自治労連組織をつくり職場に共感を広げた。公企評青年のつどいをきっかけに役員になるなど成果も出ている。

大阪では水道のコンセッション方式による民間経営推進の条例案を廃止させた。来年1月に浜松市で大集会を予定している。

会計年度任用職員制度など3つの課題への運動

小川 裕子(非正規公共評)

非正規公共評の定期大会では、会計年度任用職員制度、無期雇用転換ルール、委託や指定管理における公契約制度の3つの課題に対し「正規・非正規つなぐアクション」を柱に運動をすすめることが提起された。埼玉からは20年間学童保育を続けてきた社協が指定管理者に応募せず、約160人の指導員の雇用が危機にあり、これに対するたたかいが報告された。

「反維新」の共同が市政の前進に結実

丹野 優(大阪)

「反維新・都構想」の堺市長選を通じて、保守層を含んだ市民との共同がすすみ、職員の権利を蹂躙する維新提案の「職員活動制限条例」を廃案に追い込み、保育料無償化、少人数学級など公約提示とその一定の実現というように市政の前進に結実している。

オール大阪、市民と野党の共闘の力でカジノ誘致も都構想も阻止し、新しい大阪をつくるため全力をあげる。

被災者支援と生活再建支援法の改正に全力

鷲尾 裕(岡山)

西日本豪雨災害で「災害にもろい岡山県」であることが明らかになった。

県本部は、「被災組合員の把握、次に被災自治体を回ろう」と高梁川流域12自治体に見舞金を届け、被災状況や国・県への要望を聞き取り、災害対応にあたる職員の安全・安心の確保など申し入れた。また、県災対連結成に参加し、被災者支援と生活再建支援法の法改正にとりくんでいく。

豪雨災害の対応で交渉 臨時職員に特別休暇も

木下 克己(広島)

西日本豪雨災害で100人を超える犠牲が出た。県の東西をつなぐ鉄道や主要道路などの交通が遮断されたほか断水も起きた。広島市では職場に出て来られない職員も多くおり、緊急の宿泊や普段の通勤にない費用負担などが発生し、災害対応の要望を当局に提出した。

職場に出られないことで収入減に直結する臨時職員については、特例で特別休暇を適用させる前進があった。

職場要求引き出し全員加入で組合結成

中沢 徳士(のりと)(長野)

上田市学校給食臨時パートの労組結成に向け、当初、会計年度任用職員の学習会を試みたが「むずかしい」と難航。そこで懇談会を行うと「がんばっても評価されない」「冬は極寒、暖房が必要」など職場要求と声があがり、「もう一度、話を聞こう」となった。

改めて「要求を当局と協議できるのは労働組合だけ」の訴えを行った結果、職員全員加入での労組結成が実現した。

職場支部の再建を青年部再建につなげたい

安宅(あたか) 正博(兵庫)

西宮市職労では、事務・技術・医療職主体の「職員支部」が12年前になくなったままだった。支部を再建するため、ランチミーティングを企画。参加した若手組合員に「知恵を貸してほしい。支部役員として立候補してほしい」とお願いし、賛同してもらった。

この経験をいかし、青年部の再建につなげ、来年の定期大会では青年部再建を果たしたと報告したい。

「こんな地域と職場をつくりたい運動」の前進を

上司の横暴はね返し障害者施設の充実を

石場 久美子(三重)

障害者支援施設で続いていた上司のセクハラ、パワハラに職員が悩んできた。雇用不安からなかなか強く出られなかったなか、長年働く職員の解雇問題が発生。ついに決意し、地域労連の支援で組合を立ち上げ交渉、解雇撤回させた。

引き続き、団交をくり返し、上司の横暴を許さず障害者の支援を充実する職場づくりをすすめていく。

仲間とつながり一緒に声を 正規・非正規で運動推進

山本 美佳(京都)

「新制度」問題をめぐり、非正規職員が担ってきた業務・雇用を守り、市民サービスを低下させないため早々に基本要求を当局に提出した。問題を仲間に知らせつながり、一緒に声をあげる「ツナごえプロジェクト」を発足させ、正規も非正規も一人ひとりが議論に参加し、詳細要求を作り上げた。尊厳を守ることを大事に、正規・非正規一緒になって運動をすすめていく。

全国統一署名と青年部再々建のとりくみ

堀内 俊男(東京)

被災地へ2回ボランティア派遣を行った。3000万人署名では、マンモス団地へ組合員33人が1万枚を全戸配布した。青年部再建は、沖縄ツアーやバスツアー、新人歓迎会などに青年を集め、青年自らが青年部をつくろうと声をあげ6年ぶりに再々建大会を開いた。また組合主催の主任昇任選考対策講座に組合未加入者含め75人が参加している。

実態調査で改善要求 職場へのフィードバックを

戸田 菜々(愛知)

「愛知保育労働実態調査」で、8割の保育士が不払い残業、休憩時間中や持ち帰って仕事をしている実態が判明した。保育園部会は担当課に改善を要請。担当課を動かし、職場の変化を聴き取り、再要求して改善へ動き出している。「担当課や園長を単に敵とせず」理解を広げて解決につなげることを重視して、組合のとりくみや担当課の姿勢や職場の変化を週1回のニュースで届けている。

鎌倉市職労の中労委闘争和解と今後の課題

芳賀(はが) 秀友(神奈川)

「労使対等、誠意ある団交、労使合意実現に最大限の努力」という内容で当局と和解成立。長期のたたかいへの支援に感謝する。

組合事務所問題でも和解、組合費チェックオフ廃止も議会否決に追い込んだ。議会を暴走させないとりくみ、対抗措置などの課題が明らかになった。今後も住民の理解と共感を得る運動に奮闘する。

沖縄県知事選勝利に全国からのご支援を

稲福 勉(沖縄)

沖縄県知事選挙では、玉城デニーさんを翁長さんの後継として、オール沖縄で調整をすすめている。相手は政府官邸丸抱え、日本会議の候補者。選挙戦を通して仲間づくりをすすめ、知事選と秋季年末闘争勝利にとりくんでいく。「基地のたらいまわしを許さない、普天間基地の閉鎖・撤去、辺野古基地を断念」させるたたかいに全国のみなさんのご支援をお願いしたい。

初の非正規組合員大幅な待遇改善

菅原 勇弥(岩手)

平泉町では、昨年非正規3人が岩手自治体一般労組と自治労連共済に加入し、初の非正規の組合員が誕生。さらに加入をすすめ県自治体一般労組・平泉役場支部を結成した。組合員は12人になった。人勧改定額に合わせ賃金改善、臨時保育士・幼稚園教諭は日額1000円・月額2万円以上に改善。健診について交渉し雇用主負担で役場で受診できるようになった。

よさこいでつながる青年 自治研全国集会成功を

吉田 佳弘(高知)

県本部青年部は、職場や単組間のつながりを強めようと、8月「よさこい祭り」への出演参加を呼びかけ、四国ブロックの青年が集まった。離れた職場や単組にいる仲間をまとめる苦労を経験し成功させたことは大きな財産となった。

今回培った経験をいかし、10月の自治研全国集会で「よさこい」の歓迎行事を準備中。全国からの参加を歓迎する。

被災地で「住民のために」奮闘する仲間の姿

児童福祉司の人員増へ 急増する相談に奮闘

水谷 達也(千葉)

県職労福祉部会として、毎年児童福祉施設の人員増の要求書提出と団体交渉を重ね、5年間で500人超の人員増を実現したが、相談件数の急増や通報への対応には追い付いていない。事務室や一時保護される児童のスペースも手狭になっている。児童虐待への初動対応は市町村だが、非正規雇用者が多い。自治労連として交流の場や対政府要求も実施してほしい。

自治研活動を強化し住民本位の自治体づくりへ

畔上 勝彦(埼玉)

埼玉県では人口減・財政悪化を理由に、住民サービスへの財源がカットされ、大企業が活動しやすい国土づくりをすすめる公共施設等総合管理計画が住民不在で推しすすめられようとしている。埼玉県本部は県を含め全64自治体の計画を分析している。今年の高知での自治研全国集会と、埼玉自治研のとりくみを強化し、そのねらいと実態を住民・職員に伝えていく。

非正規の処遇改善すすむ 人員増は実現できると実感

伊藤 一三(いちぞう)(和歌山)

県内では、非正規職員の実態調査、自治体訪問、昨年から「新制度」の学習会などを通して、いくつかの職場で組合加入が増え、処遇改善がすすんでいる。

職場で妊娠中の女性職員に長時間労働を強いていたことが分かった和水労は、当局を追及し、ようやく今年度、その職場の人員を倍増させた。大幅賃上げは難しいけれども人員増は実現できると実感した。

学校給食の民間委託を阻止、新規採用の約束

前田 一樹(福岡)

北九州市では技能労務職全員が行政職となり、職場は民間委託となった。学校給食は民間委託の計画を止めさせ普通校6校を残させ、新規採用を約束させた。

夜10時までの残業実態調査を2回行い、サービス残業をなくす人員配置を、臨時でない業務は36協定をと人事委員会と任命権者に訴えた。

青年も横のつながりを広げる企画など動き始めた。

11月に核兵器廃絶地球市民集会ナガサキを開催

里 正善(長崎)

新たな単組の加入の一方、加入単組の解散があり、日常的な交流の積み重ねが必要と痛感している。6年目を迎えた「原発ゼロをめざす長崎あじさい行動」の毎週金曜日の昼休みデモ行進は約20人の参加者で続けている。11月には核兵器禁止条約成立後はじめて、5年ぶりに「第6回核兵器廃絶地球市民集会ナガサキ」を開催する。全国からの参加を訴える。

反核とイージス・アショア配備反対運動を雑草魂で

高橋 正志(秋田)

県本部は一時休止していた反核ライダーを復活し9年目、沿道の人や首長に核兵器廃絶をアピールした。青年組合員同士の交流にもなっている。イージス・アショア配備を強行する防衛省は、県民の不安や憤り、疑問に応えない。反核と護憲の運動に加えて配備反対をかかげ、地道に「雑草魂」でこれからの運動を展開していきたい。

更新5年上限撤廃へ 仲間づくりすすめる

小畠 昌彦(北海道)

憲法キャラバンでは、180すべての自治体訪問めざし、昨年までに164市町村を訪問。キャラバンを通して、労働組合として、また自治体職員として何をしていかなければならないか深く考えさせられる契機となった。札幌医科大では、学非常勤職員の更新5年上限を撤廃させるためたたかっている。30万自治労連10万非正規公共評に貢献できるよう奮闘する。

災害時にも役割果たせる人員要求を強める

大下 時廣(愛媛)

西日本豪雨では日常的な人員不足のなか、限られた職員で対応せねばならず、災害時の医療拠点として十分な機能を果たせなかった点での検証が課題だ。自治体病院としての役割を果たせる人員要求をより強める必要がある。

新採職員へのとりくみではしゃべり場に職場の先輩らが誘って参加し、12人が加入。一人ひとりの声かけに多くの人がかかわった。

非正規職員の復旧作業に特別休暇と特別措置を

金光(かなみつ) 一郎(岡山)

西日本豪雨災害で倉敷市真備地区は甚大な被害を受け、職員は支援を受けながら復旧に奔走。非正規職員からも「避難所の要員として従事したい」「知り合いが被災した。手伝いたい」「車が水没し仕事に行けない」と組合に相談が続いた。組合は非正規職員の災害特別休暇や職免による特別措置を当局へ申し入れている。引き続き、全国からの支援を求める。

みんなで1000人 徳島自治労連をめざす

伊吹 久幸(徳島)

毎月の目標を決め、毎週の会議で教訓の共有と具体化を図ってきた。一進一退はあるが、自治体一般の支部では非正規組合員の正規化を求めて団体交渉を重ねるなかで組合員が成長する状況が生まれた。また、パワハラや解雇問題にとりくむなかで前進してきた。

みんなで組合員を増やし、1000人の徳島自治労連建設を早く実現するよう全力でとりくんでいく。

新採の組合加入に奮闘 医療職場環境の改善を

波多野 恵(静岡)

人勧で定年延長の指針が出されたが、65歳まで働き続けることができない医療現場のひどい実態を何とかしたい。

新採の組合加入では今年も他組合との激しい争奪。他病院などで就労経験のある方々からの「こんなに職員のためにがんばっている組合はない」との言葉に励まされた。引き続き組合加入拡大と職場環境改善に向けてがんばりたい。

公務災害制度の改善を 2年連続の人員増

水戸川 慶太(神奈川)

過重労働で福祉施設職員が頸肩腕障害をり患。基金は公務災害を認定。しかし一方的に療養補償を3カ月で打ち切り、裁判闘争へ。地裁は勝訴だが基金は控訴。勝利へ全力を尽くす。

本庁職場の残業実態調査を行い、その結果をもとに交渉を行い、2年連続の人員増という成果を得た。

来年4月の県民・職員にとって重要な県知事選挙を勝ち抜く。

「法を守らない病院に未来はない」かかげ奮闘

常玄(じょうげん) 大輔(大阪)

りんくう総合医療センターでは、経営悪化を理由に一方的に賃金カットを強行。大阪自治労連はじめ多くの支援のなか、2年間のカット予定を1年で撤回させた。また、不正な働き方について労基署から4通の是正勧告が出された。この間のたたかいを通して、組合員が約170人、1・7倍に増えた。今後も「法を守らない病院に未来はない」をかかげ奮闘する。

東海第二原発再稼働・延長に対し原発ゼロ運動を

澤口 彰紀(茨城)

3月に日本原電は同意権を事実上周辺自治体に広げる画期的な新安全協定を周辺5市を含めて結んだなか、2日間にわたり日本原電、東海村や隣接2市と県を訪問・懇談を行い、協定や広域避難計画について認識を確認し意見を聴いた。東海第二原発は11月に運転期限を迎え、20年延長を計画している。県民多数は再稼働に反対。原発ゼロを求めて共同を広げる。

アンケートを力に学童保育等の組織化

(福井県事務所)

敦賀市学童指導員アンケートを実施。待遇格差や産休・育休の要求などが明らかに。アンケート結果をもって会計年度任用職員の学習会に誘い、要求づくりや組織化につなげる計画だ。組織維持と拡大のために障害者共同保育の単組で共済アンケートや説明会を実施。介護認定業務などを行う広域連合で不当な雇い止めが起きており、撤回を求めたたかう。

オスプレイ配備計画に住民とともに反対

池田 桂一(佐賀)

唐津市はこの10年、「定員適正化計画」で、新規採用を退職者の半数とし、嘱託・臨時職の増員、業務のアウトソーシングで合理化をすすめてきた。その結果、残業は増え、住民ニーズに応えきれないことで、「業務に見合った職員数を確保すべきだ」と要求し、当局からも回答を得た。知事の佐賀空港への陸自のオスプレイ配備計画に対し、住民とともに反対の声をあげていきたい。

実態を訴え要求前進 確信をもってたたかう

八田 直美(鳥取)

役員報酬が組合への説明より高いことをニュースで知らせ交渉に挑み、3000円のベースアップを実現した。増員要求では「一番楽」と発言された施設で実態を調べ、1人で10人の対応、病気でも休めないなどの実態を訴え発言を撤回させた。人手不足で利用者を制限しないと運営できないのが実態だ。職場の矛盾を打開するため学習会や集会に参加し、確信をもって共同のたたかいに結集したい。

福祉優先の市政転換で職員が明るい市役所へ

岡野 道博(滋賀)

近江八幡市では、95億円もの庁舎建設と福祉拡充をめぐり市長選挙が行われた。単組で推薦、市民運動も推した新市長が誕生し、公約通りに建設契約を解除した。また中学生までの医療費無料化が提案されるなど福祉優先の市政に転換中である。住民からは「職員も明るくなり、役所に行きやすくなった」との声が上がっている。引き続き、単組としても職場改善を求めていく。

学習を力に多くの青年と活動することが重要

西脇 啓太(愛知)

毎年2月に最低賃金生活体験をとりくんでいる。体験者からは「これでは生活できない」との声は出るものの、要求運動まで結びつかない。賃金学習を通じて「自分たちの運動」にしていきたい。次世代育成も組合についての基礎学習を行い、組合への「確信」を深めている。一人の活動家を育てるのではなく、組合活動に携わる青年の裾野を広げることが重要だ。

独法化許さず、住民利用者本位の都立病院に

大須賀 佳代子(東京)

3つの病院と福祉施設が集まる多摩メディカルキャンパスの「整備基本構想計画」が出されたが具体的内容がないもの。今年3月に出された都立病院新改革プランにも注意深く対応している。東京都は自治体病院を不採算事業とし切り捨てようとしている。

地域住民と地域労連に参加し、これら改悪内容を明らかにし、再度ねらう独法化に反対していく。

組合事務所の早期貸与 アンケートいかし成果

高橋 保文(青森)

八戸市営バス労組の組合事務所貸与について労働委員会のあっせん案を労使で確認したが、いまだ貸与されない状態だ。早期貸与を求め、再度の申し立てと交渉を強めていく。

五所川原市職労の3年目となる「人事・人員要求アンケート」のとりくみとその結果をいかした交渉では、1人係を解消するなど成果を上げてきている。引き続きとりくみを強める。

会計年度任用職員制度で要求・交渉

中村 篤子(奈良)

会計年度任用職員制度について、非正規単組は説明会を行い要求書提出・交渉が始まった。次は正規職場の意思統一が求められる。また議会決議にとりくんでいる。本部四役に公共評役員の選出を要望する。

奈良市学童保育の昼食提供を改善させ4人を組合に迎えた。大和郡山の子育ての会も奮闘している。

地方組織の再構築を協議する場を設定して欲しい。

全県のたたかいで第二原発廃炉の兆し

渡辺 一芳(福島)

鮫川村では認定こども園移行を契機に職員全体で話し合いを持ち、非正規保育士5人が組合に加入するなど、組織拡大をすすめている。原発問題では県議会で「県内すべての原発の廃炉を求める請願」が全会一致で採択され、全自治体での全基廃炉の要求。集会、署名、政府・東電交渉など全県のたたかいの結果、東電社長が福島第二原発にある4基廃炉の検討を表明した。

共済活用で支部結成 労組の初歩的活動が基本

酒井 光雄(香川)

新結成の一支部は事業廃止に向かう施設を継続することにし、自治労連共済を施設の福利厚生に活用することで結成。また団交で成果も。「かしの実支部」はこの成果を踏まえて結成されたものである。

さぬき市民病院労組では、会議定期開催やニュースを組合員に届ける等の労働組合の初歩が実施されつつあり、退勤時対話活動で新加入もあった。

自治体労働者が憲法を守りいかす先頭にたって

不誠実な事業団から一部改善勝ち取る

三沢 孝之(山口)

防府事業団労組は、「安心して働ける職場こそ利用者のサービス向上につながる」と、組合結成通知と要求書を提出したが、責任者は「要求は一切聞かん」と言い放った。昨年6月、労基署へ訴え、是正勧告が出され、2月に団交が実現。しかし、不払い残業に不誠実な対応だった。新市長に懇談を申し入れ、組合の熱意を伝え、一部改善した。今後もたたかいは続く。

会計年度任用職員の危険性知らせ改善へのチャンスに

小柴 健介(鹿児島)

会計年度任用職員の学習を各職場で行い条例制定前の要求書提出にとりくんでいる。

種子島地域労組西之表市分会で学校用務員の要望を聞き、法改正の学習会を行ってきた。要求書の準備をすすめるなか11人全員が組合に加入。ほとんどの組合員が参加し、団体交渉にのぞんだ。法改正の危険性とともに、処遇改善のチャンスであることを伝えて改善を勝ち取っていきたい。

アンケート、署名の力で労働条件改善を実現

良知(らち) 信一(静岡)

浜松市職は、幼稚園職場でアンケート結果をもとにサービス残業の賃金不払い5534万円を支払わせた。退職金の削減では5千筆を超える署名を背景に交渉し、削減額の45%を回復。労働安全活動では、職員への安全配慮義務を訴え、災害待機解除後のタクシー代、宿泊費補助6千円を実現。夏の冷房も夜8時まで本格実施。職場要求を大切に労安活動の活用を。

会計年度任用職員制度を契機に団結力深まる

緒方 純子(兵庫)

会計年度任用職員制度は、いつでも「雇い止め」になりかねない荒々しいものだ。西宮市の嘱託調理員組合や嘱託労では、自ら学習資料を作成し学習会を開催した。臨時保育士組合も3回の説明会を開いた。川西市でも全員参加の学習会を何度も開いた。これが契機になり兵庫関連協の団結が深まっている。

正規・非正規は関係ない。みんなともに働く仲間である。手を携え、肩を組みがんばろう。

共同を広げた地域の平和活動

鈴木 登志生(神奈川)

三浦市がビキニ被曝事故で最も経済的損失を受けたことから、組合が加盟する地域労組と三浦市役所が共催して「みうらピースデー」を開催している。映画上映、講演会、ミニ音楽祭など多彩なプログラム。市役所、労働組合、市民との共催を大切にしていきたい。

今年は神奈川自治労連の青年部の協力も得て、成功させた。近隣市町村への声掛けも行っていきたい。

復興は国の責任で職場・地域の共同を

小野寺 栄悦(えいえつ)(岩手)

東日本大震災では全国からのボランティアに励まされた。西日本豪雨災害では今度は私たちが被災地を支えていこうとボランティア活動を行ってきた。

復興創生期間の終了に地元自治体は不安を抱いている。復興は国の責任だと強く求めていきたい。

安倍政権によって住民・地域が疲弊している。職場を基礎にした住民との共同のたたかいが求められる。

正規職員の人数増と非正規の正規化を

岡原 真純(広島)

広島市の学童保育は公設公営だが職員全員が非正規職員。市嘱託連絡会は3月広島市に「公務職場の嘱託職員の実態を訴えるレポート」を提出。熱意あふれる希望と失意に満ちた現実が込められている。6月に市議会各派にも提出。

正規職員の人員増と「正規職員が行うべき業務は正規職員が行うように正規化して欲しい」の積年の願いにつながるよう運動したい。

加入した青年を孤立させずワークショップのとりくみ

小松 康則(大阪)

大阪府職労では「組合加入した青年を孤立させない」とりくみをすすめ、青年部を再建。青年の主体的参加と力の発揮を意識し、経験のみに捉われない運動へとつなげている。アメリカの労働者組織が主催するワークショップに参加し、「春闘学習会」や日常活動にも取り入れ、参加者は「仲間づくりをすすめたい」「もっと職場で対話しよう」と職場で実践をすすめている。

会計年度任用職員の課題を3つの観点でとりくむ

本間 繁(長野)

会計年度任用職員の課題では、①職場の長時間労働の解消や人員確保の課題と位置付け、②自治体内最低賃金として底上げをはかり、均等待遇を実現する、③組織の拡大強化こそ要求実現の最大の保障を貫くこと、が3つの観点。県内3労組の成功例があり、非正規雇用の仲間がどんな思いで働いているかを聞くことからがスタートだと思う。

賃上げと格差是正に奮闘する決意

筒井 敬二(高知)

最低賃金AランクとDランクの高知との格差は223円と広がり、1・3倍の格差だ。生計費は、どこで住んでも大差はない。最低賃金を引き上げた経済波及効果の試算では労使にも、社会にとってもメリットがあると地元企業や経済団体と懇談した。「政府に賃金改善に直接効果が出る支援を望んでいる」と意見をもらった。賃上げと格差是正に奮闘する。

地方自治の発展を開くため沖縄県知事選挙に全力

森 吉治(京都)

4月の京都府知事選挙では①候補者擁立、②選対の共同の枠組み、③野党への働きかけを行い、弁護士会副会長の福山さんが出馬。つなぐ京都を結成し、さまざまな政党を支持する市民による草の根からの野党共闘を実現した。今、地方自治が中央権力の横暴に立ちはだかる力になる。

全国知事会を動かし政権と対峙してきた翁長さんの遺志を受け継ぎ沖縄県知事選挙勝利に全力をあげる。

仲間を増やして強く大きな自治労連に
笑顔で結成30周年を迎えよう

組織化と要求聞き取り組合の姿見せ信頼高める

鈴木 貴夫(愛知)

西尾市職では、会計年度任用職員制度の学習を臨時職員に呼びかけ、組織化をすすめている。さらに職種ごとに月1回ほど臨時職員と懇談を重ねて要求書提出を行い、交渉を始めた。また、なかなか時間が取れない保育職場では、執行委員全員が職場を訪問し聞き取りを行う方針へと転換すると要求が続出した。組合の姿を見せることで、さらに信頼を高めている。

非正規の仲間に寄り添い学習を力に奮闘

黄木(おうき) 祥久子(千葉)

会計年度任用職員について、県本部の方針を受け、ほとんどの単組で学習会を開催。船橋市職労では4回の学習会にのべ100人以上が参加。当局の説明がないなかで、情報を求める声が圧倒的だった。秋以降、正規職員確保と残業規制、高卒初任給以下の賃金を無くし期末手当や経験加算、退職金の要求、組織強化拡大に力を入れ、年度末までに大きな一歩としたい。

だれもが時給1500円 大きな世論に

懸谷 一(福岡)

福岡県労連が実施した標準生計費調査に、福岡自治労連も旺盛にとりくんだ。その結果時給1500円以上が必要だということが明らかになった。また、就職情報誌で資格のいらない簡易職種の地域別求人時給を調査し、人口移動調査とあわせて各行政機関、メディアにも明らかにし、大きな反響が返ってきた。この結果を基礎に生計費にもとづく賃金闘争に全力をあげる。

不払い残業を支払わせる 職場から違法行為の根絶

鈴木 俊治(東京)

足立区で3年前に定年前の保育士29人が退職するという事態に対し、アンケート調査を行い、不払い残業など恒常的な違法行為が行われていることが明らかになった。区職労と保育園分会が連携したとりくみで、不払い残業を2年前に遡及して支払わせることができた。職場から違法行為を根絶させ、働きやすい職場にするため、粘り強くとりくむ。

会計年度任用職員問題で政策委員会発足し提案書

坂本 善雄(埼玉)

会計年度任用職員問題で政策研究委員会を立ち上げ提案書をまとめた。雇用の安定、均等待遇、「偽装非正規」をなくしていく。そのため労働契約法同様の規制を求める運動も重要だ。

春日部市の学童クラブを運営する社会福祉協議会が来年度の指定替え公募に応募しなかった。約160人の指導員が雇い止めされる可能性があり、最後まで諦めず運動をすすめたい。

共済つながるささえる運動の推進

小野 一仁(岡山)

「共済つながるささえる」運動の推進で、昨年の特別重点支援措置のとりくみの成果に学び、20人未満の6単組合同で加入者を拡大。7割加入を達成し、健康告知対象者全員が共済に加入することができた。この過程で遠方の職場にも訪問したことで、職場の状況や勤務労働条件の話もできた。対話の必要性、重要性を再認識し、組織強化拡大につながると確信した。

民営化と非正規雇用に対する大津市労連のたたかい

神原 裕寿(滋賀)

地方独法化された大津市民病院では人員不足、賃下げが進行。この逆風が職場に火をつけ、役員が活性化、交渉は全員参加型に。

会計年度任用職員制度は公務の切り捨てやパートタイム化など困難な課題だが、同時に組合への期待や組合の大切さが嘱託・臨時職員のみなさんのなかに広がっている。ピンチをチャンスととらえて必ず前進を勝ち取っていく決意だ。

要求実現、学習で仲間づくりが前進

坂本 康彦(神奈川)

交通従組の組合事務所問題では、7支部中3支部へは直ちに組合事務所を貸与する、他の支部も「誠実に協議する」勝利和解を勝ち取った。勝利以降、組合結成以来の要求である「夏期脱帽」を実現。ダイヤ改正も実現した。組織拡大でも役員全員で奮闘している。

横浜市従では、「会計年度任用職員制度」の学習会で200人の目標を超え、拡大が前進している。

安全・安心な命の水を守り抜く

菊池 仁(静岡)

浜松市では水道施設の運営権を民間に売却するというコンセッション方式での導入計画がすすめられ、4月から下水道処理場の一部が民営化、次は上水道がねらわれている。市民が自治労連公企評の協力を得て学習会を重ね、浜松市の水道民営化を考える市民ネットワークを結成。浜松市職員上下水道労組は宣伝や署名にとりくみ、命の水を守り抜くために全力を尽くす。

全国からの支援に感謝 最高の故郷取り戻したい

和氣(わけ) 伸二(愛媛)

生まれ育った西予市野村町が、西日本豪雨で大きな被害を受けた。親族を亡くした職員、自宅が浸水した職員も含め、すべての仲間が心に傷を負いながら、復旧と通常業務にあたっている。全国からの物資支援、ボランティアに大変感謝する。止まない雨はない。空気も水も人も景色も最高の故郷を取り戻していく。

体験を通じて青年の成長につなげられた

實川(じつかわ) 理(千葉)

6月に千葉県地方自治研究集会を開催。前文科省事務次官の前川喜平さんが記念講演で「人権感覚が必要」と強調されたことは、私たちの仕事を考える上で素晴らしい内容だった。

県本部青年部が沖縄で「未来ツアー」開催。沖縄戦を学び、県基地対策課の職員から基地問題の講演を受けた。現地で体感することが大事。この経験が青年の成長につながった。

改憲を許さない世論と運動をさらに広げる

長坂 圭造(愛知)

名古屋市の新採100人のうち半分は生活保護職場に配置されていることから、新人ケースワーカーの集いを開催。住民にどう向きあうのかを先輩たちと議論した。自治体労働者が憲法を守りいかす、文字どおりのとりくみ。憲法や政治、仕事、くらしが密接にかかわっていることを再確認し、3000万署名を全単組で旺盛にとりくみ、住民のいのちとくらし守る運動をすすめる。

災害対応の体制作り急務 自治体の役割が問われる

福島 功(京都)

7月の西日本豪雨災害は、京都も大きな被害を受けた。自治労連本部とともに京都の被災4自治体へ見舞金を手渡し、懇談を行った。災害を前提とした自治体の体制作りが急務だ。どんな地域と職場をつくるのか、そして自治体の果たすべき役割が問われている。憲法がいきる働きがいのある職場をめざし、来春の統一地方選挙も視野に入れたとりくみをすすめる。

自治体労働者は憲法を守りいかすことが任務

小山 国治(大阪)

仲間30人で岡山県真備町に支援に入った。安倍政権による政治の私物化の行き着く先は「戦争する国」と「公務員の私物化」だ。自民党憲法草案は基本的人権を制限し、戦争放棄を骨抜きにしている。自治体労働者は憲法を守りいかすことが任務。歪められた「中立性」を跳ね返し、組織強化拡大と団結の力で3000万人署名を達成して改憲発議を絶対に阻止しよう。

超勤事由を洗い出し不払い残業根絶を前進

喜入(きいれ) 肇(はじめ)(東京)

職業訓練校のCAD製図科の不当解雇事件争議では、原告の職場復帰を果たした。全国の支援に感謝する。

不払い残業根絶のとりくみを緊急の課題として対策委員会を定期開催。単組の交流も行い、とりくみは前進している。決定的なことは超過勤務の事由、何を超過勤務とするかの職場議論を徹底し、超過勤務になっている業務を洗い出し、その具体的事由をもって交渉をすることにある。


大会ピンスポ

猛暑のなか笑顔でお出迎え

現地案内

今年の厳しい真夏の暑さのなか、案内の任務にあたった現地大阪のみなさんは、笑顔で参加者を迎えてくれました。

「道案内をしていると、『おつかれさまです』と参加者のみなさんが声をかけてきてくれるので、なんだか仲間だなって感じますね」

「熱いですね~。電車の到着時刻を見ながら、日陰で休みながら案内をしています」

「埼玉県民活動総合センター雇い止め撤回裁判」支援物販コーナーが登場

物産展

金子眞記子さんは8年間勤務した職場を2016年3月に突然、期間満了を理由に雇い止めされました。「こんなことは許せない」「波及させてはいけない」と雇い止め撤回を求め裁判。公判日には40人もの県本部の仲間が県庁前で朝ビラ配布し傍聴に。今回、送料節約のために持参で持ち込んだ「クレヨンしんちゃんイラスト煎餅」も好評です。

▲金子眞記子さん(左から3人目)と埼玉県非正規・公共協の仲間のみなさん

▲大会1日目に50個を完売した「しっぽねこ」

大会の臨場感や参加者の人柄も伝える

現地速報班

大会の雰囲気や発言、全国の参加者の顔を素早く伝える速報班。そして、紙面にちりばめられた大阪のホット情報。常に時間とのたたかいを繰り広げる現地速報班を束ねる編集長の橋本達明さん(東大阪市職労)は、「仲間の協力を得ながら、大会が終わるまでひたすらがんばるだけ」と意気込みを語ります。仲間からは「おもろいこと言わな」と大阪ならではのツッコミも入りました。

子どもたちも仲良くなって大満足

保育室

保育士と学童保育職員の仲間が連携して子どもたちを預かります。暑い日が続き室内遊びが中心ですが、子どもたちはとっても元気。「知らない土地なのに、子どもたちの方が仲良くて、やっぱり順応性がすごい」と守口市職労の組合員。利用した秋田・横手市職労の保護者も「子どもも『楽しかった』と喜んでいます。保育があって私もありがたい」と親子で大満足でした。

粋な心でみなさんを歓迎します

来年は東京

「大阪の大会では、みなさんからの素晴らしい心意気に、とても元気をもらいました」と東京自治労連の荻原淳委員長。準備は大変ですが、「粋な心で全国のみなさんを歓迎いたします」と、仲間の知恵と力を大いに借りて、みんなで準備を楽しんでいきたいと語ってくれました。


▲役員選挙

▲沖縄支援の檄布への寄せ書き

▲大会速報を配る大阪の仲間

▲現地歓迎行事で漫才を披露する大阪市労組の組合員「KKコンビ」

新役員の紹介 中央執行委員

▲[左] 小原(おはら) 徹也(てつや) 福岡自治労連推せん
[右] 田頭(たがしら) 愛美(あいみ) 自治労連女性部選出、自治労連愛媛県本部推せん。自治労連女性部部長


総括答弁(要旨)

全国の経験と成果をさらに力強いものへ

自治労連書記長  中川 悟

広まる職場でのたたかい 地方から格差是正の声

討論では68人が発言。出席代議員の女性比率は27.8%(昨年24.46%)。

討論では、給与をめぐる一部議会と当局の不当労働行為に対して、労使合意を遵守する和解の報告、「組合潰し」ともいえる理不尽な使用者とのたたかいを報告する発言があった。13年ぶりのベースアップの成果や退職手当削減に反対するとりくみ、最低生計費調査にとりくんだ青年からは、「最低賃金引き上げが初任給や自らの賃上げへの一番の近道」と、最賃闘争を自らの運動としている発言があった。

会計年度任用職員制度では、自治体内最低賃金として底上げを図り、均等待遇実現を位置づける重要性や、要求提出や議会対策などの各地の経験が語られた。

公務員賃金の地域間格差に対するさまざまな疲弊が顕在化し、「地方の反乱」が起こっている。全国の地方公務員の受験者数は減少し、合格しても辞退するケースが続発している。地域手当をはじめとした地域間格差、低すぎる初任給が要因。ある地方人事委員会は、公務員試験向けの勉強が不要な採用枠を設け、2割程度の応募増につなげている。

また、地域最賃でも、中央最賃審議会の目安を、23県で上回った。春闘を起点に、最賃の大幅引き上げ・全国一律最賃制度の確立、公契約、公務員賃金の引き上げで、すべての労働者の賃上げをはかる条件が地域・地方から生まれている。「地域間格差は許さない」の国民世論を広げていきたい。

長時間労働解消、予算人員闘争では、幼稚園職場の不払い残業代を支払わせ、総務部長通知を出させた成果や、県内の保育労働実態調査で超勤申請をより促す通知を出させた成果、また各単組から人員を倍増させた発言もあった。全国でつくりだした定数増の流れをさらに力強いものにしていきたい。

病院の独法化反対のとりくみや、「政治活動制限条例」を廃案に追い込んだ成果などが報告された。

西日本豪雨災害について、被災者に寄り添うべく、市の姿勢や反省点を検証し、あわせて職員の勤務労働条件の再確認を市当局に求めていく発言には、民主的自治体労働者論にもとづいた自治体労働者・労働組合の姿があった。

組織拡大・強化では、会計年度任用職員問題で2桁の非正規職員が加入した単組や、労使合意のない賃金カットを撤回させ組合員を増やした病院単組、青年部立ち上げや再建、青年のつながりを強化するとりくみや職場を変えるリーダーづくりなどが報告された。

市民と野党の共闘で憲法いかす政権を

そして、3000万人署名を全戸配布、あるいは家族、親戚、管理職からも集めた成果、憲法キャラバンですべての自治体訪問めざす計画も報告された。原発問題や核兵器廃絶のとりくみ、そして、市民と野党共闘のとりくみも報告された。

改めて、市民と野党の共闘で安倍政権を退陣させるため、来年7月の参院選での勝利が求められる。焦眉のたたかいは沖縄県知事選挙。自治労連は、全国の支援を受け入れる構えである。この呼びかけに応えていただくことをお願いしたい。


ようこそ新しい仲間

新規加入組合紹介

「自治労連第40回定期大会」で新たに3組合の加入が承認されました。自らの権利を守り、働く誇りと喜びを持てる職場づくりへの決意が語られ、全国の仲間は大きな拍手で歓迎しました。

よりよい職場になるようがんばる

長野 上田市学校給食臨時パート職員労働組合

2018年5月に結成しました。これからですが、定期大会で発言し「労働組合を立ち上げた」という実感がわきました。仕事は厳しいなかで、これまで改善の要望を言えるような場所や立場もありませんでした。今後は、よりよい職場になるよう、がんばっていきます。

自分たちの権利は自分たちで守る

三重 くわのみ職員労働組合

職場単体で組合を作ると思っていませんでしたが、支援を受けて、立ち上げることができました。労働組合を結成して、「職場の現状がおかしい」という人が何人もあらわれました。自分たちの職場や権利は、自分たちで守らないといけないと思います。これからいろいろ学んでいきたいです。

誇りと喜び、やる気を持てる職場に

岡山 笠岡市社会福祉協議会嘱託職員労働組合

正規職員と同じ時間・仕事をしているのに制度に差があります。職員全員で要望書を出しても改善されることはなく、笠岡市職労に相談し、組合を立ち上げました。誇りと喜びを持てる職場づくりと、やる気の持てる労働条件の確立をめざして、これから組合活動をがんばります。


西日本豪雨災害

復旧・復興に向かって

さまざまな支援活動続く

▲岩手の仲間7人がボランティア支援。野村保育園の代替施設へ訪問

西日本豪雨災害の被災地では、いまも懸命な復旧作業と被災者支援が続けられています。被災自治体の単組や県組織は被災時や復旧作業のなかで明らかになった課題にとりくみ、全国の自治労連の仲間も支援ボランティアや自治体にカンパを届けるなど支援活動を行っています。

職員の疲労も限界 仲間の支援が支えに

愛媛

甚大な被害を受けた愛媛・西予市野村地区に、8月19日から、岩手の仲間7人が支援ボランティアに入りました。

建物が浸水した野村保育園は解体が決まるも手付かずで、壊れた倉庫や遊具を軽トラックに乗せて撤去。水位の上昇で建物2階屋根に引っかかった園庭の遊具をおろして、汚れたプールもきれいにしました。

翌日、保育園の代替施設を訪問。出迎えた園長先生が園児たちに「保育園の遊具やプールをお兄さんお姉さんたちが片付けてくれました」と紹介すると、園児からお礼の言葉と合唱のプレゼントをもらいました。一緒に遊ぶ園児たちの笑顔に、園長は「災害以降一度も笑顔を見せなかった子が、今日は笑いながらふれあっているのを見てほっとしました」と感謝を語りました。

西予市職労の和氣伸二委員長は「今回、愛媛県をはじめ四国ブロック、そして全国の仲間に支えていただいていることを実感した。岩手だけでなく秋田からも車で2日かけて宇和島市の被災地にも駆けつけていただいた」と全国の仲間に感謝の思いを伝えます。

また「通常業務も遂行するなか職員の疲労は限界に達し、最近では災害対応で地域を回る公用車の接触事故もあり、いつ大事故が発生してもおかしくない。これまでの人員削減が原因です」と、当局には緊急要望書を出しており、要求を強めたいと決意を語ります。

▲野村保育園の壊れた倉庫や遊具を片付ける岩手の仲間

続く懸命な復旧作業 課題について申し入れ

広島

土砂崩れなどの被害の大きかった広島市坂町小屋浦地区での復旧作業に、全国から自治労連の仲間が参加しました。主に被災者宅の土砂の掻き出しや、排水溝の土砂除去作業で100メートル近くを総勢40人で、1日かけて行いました。いまだ岩石で押しつぶされたままの家屋や、復旧も待つ保育園など終わりが見えないなか、懸命な復旧作業が続いています。

今後の災害対応で当局と交渉開始

放課後児童クラブの職場も、被災当時、通勤経路が寸断するなど想定外の状況となりました。豪雨で休所となり児童もいないなか、「最後まで勤務するように」言われ、施設や車中に泊まった嘱託職員が多数出ました。留守家庭子ども労組では、職場で「帰宅・出勤できなかった日」など具体的にアンケートを取り、今後の災害対応と職員の安全について、当局と交渉を始めたところです。

▲いたるところで土砂崩れの被害が起こっています

首長「職員が足りない」 被災者に寄り添う職員

岡山

倉敷市真備町では、今も泥水に浸かった傷跡が残っており、30万トンとも言われている災害ゴミが、道路のわきに平積みされ、まだまだ支援が必要な状況です。り災証明の発行や避難所の開設と運営、住民からの窓口相談など想定以上の災害対応に苦慮しながらも、職員は被災者に寄り添い続けています。

岡山県本部は、倉敷市をはじめ、12の被災自治体訪問。見舞金をとどけ被災状況や国・県への要望を聞き取り、同時に職員の安全と安心の確保に関連する要請も行いました。首長との懇談では「対応にあたる専門職や現業職など、とにかく職員が足りない」「職員はなくてはならない。大切にしたい」「時間外勤務は全員記録している」など発言がありました。

ピースバルーンに災害復興の思いのせ

復旧ボランティアだけでなく、さまざまな形の支援もすすんでいます。

岡山・浅口市職労は、毎年8月に平和と核兵器廃絶の思いを風船に託す「ピースバルーン」のとりくみを行ってきました。今回で30回目となりますが、会場では被爆者支援の募金だけでなく、西日本豪雨災害の寄付もあわせて行われました。学童クラブに通う地元小学生と職員が参加。風船に短冊には災害復興を願うメッセージがありました。

▲浅口市職労の「ピースバルーン」で、思い思いのメッセージが込められた風船300個がいっせいに空へ


すすむ非正規公共評(45)

一歩踏み出して組合加入100%達成へ

長野県自治労連 上田市小中学校図書館労組

▲会計年度任用職員制度などを学ぶ図書館労組

上田市小中学校図書館労組(以下、図書館労組)は、昨年秋の交渉で、非常勤職員の司書が一般事務補助と同じ賃金単価であったことについて、当局から「法改正による新たな制度(会計年度任用職員制度)にむけて、今後、司書として明確に位置付ける方向で検討していく」という回答を得ることができました。

当初、上田市では、昨年8月の総務省『会計年度任用職員制度の導入等にむけた事務処理マニュアル』で示されたフルタイム会計年度任用職員の給与に関する「類似する職務の常勤職員の級の初号俸を基礎として」という考え方に、当局は「財政上もありえない」としてきました。

基本賃金を正規の給料表に位置付けて運用することは組合の要求でもありますが、職種による給与水準の違いをどうするか、人材確保や専門性の観点でどう決定していくかは課題です。

図書館労組は、この間、県本部、上田市職労の援助のもと、新たに未加入者7人を拡大して、悲願の「市内35校図書館司書・100%組合加入」を達成。この背景には、職場でさまざまな要求や怒り、悩みがあること、そして組合に加入することで「自らの力が要求実現の力になる構図」がわかり、一人ひとりの自覚が生まれて、一歩踏み出してきたことにあります。

さらに学校図書館司書の仕事の専門性と役割を「見える化」して広く発信するために、パンフレット『だいすき!学校図書館』を今年5月に完成させました。学校図書館のあるある話などカット付の傑作です。パンフレットを最大限活用しながら、この秋の職場要求の前進をめざしています。


シリーズ15 いちから学ぶ仕事と権利

実効性ある時間外規制と予算人員増を勝ち取ろう

公務員にも時間外労働に対する上限規制が

労使協定の締結と超勤、不払い賃金のチェックをすすめましょう。

先の通常国会で成立した「働き方改革」推進法で、労働者の時間外労働の具体的な規制が労働基準法に明文化されました。

これを受け、8月10日の人事院勧告でも、国家公務員に対して「月45時間・年間360時間」の時間外労働の上限規制が明言され、人事院規則に制定されることになりました。しかし一方で、国会答弁の資料作成や議会対応など、他律的業務が多い部署などの職員については「月100時間未満かつ年720時間以下」の例外が設けられ、過労死水準を超える労働に歯止めがかかっていません。

また、大規模災害への対応など重要性・緊急性が高い場合では、規定以上の超勤も命じられます。

今後、地方人事委員会勧告でも同じ内容での言及が予想されますが、地方公務員の超過勤務には、労働基準法36条の労使協定を結ぶ必要があります。各職場で労使協定を結ぶとともに、協定を超える超勤実態や、不払い賃金がないかチェックしましょう。また、本庁等の職場では、「公務のための臨時の必要」がある場合は労使協定なしで超勤を命ずることができるという労基法の例外規定がありますが、これを厳格に運用させていくことも大事です。

今、災害対応に疲弊する自治体・公務公共労働者も増え、人員増など抜本的な職場体制の改善が求められています。

この間、職場の超勤実態調査や、人員体制に関する聞き取りをすすめ、当局との交渉にいかして人員増を勝ち取っている単組があります。引き続き、秋のたたかいでも、すべての労働者の賃上げを勝ちとるとともに、職場の長時間過密労働の一掃と予算人員増を勝ち取っていきましょう。


核なき世界へ 原水爆禁止2018世界大会

「自治体ぐるみ」ですすめよう ヒバクシャ国際署名

第41回 自治体労働者平和のつどい

▲原水爆禁止世界大会(広島)2日目の8月5日に第41回自治体労働者平和のつどいが広島市内で開催され、全国から95人が参加しました

原水禁世界大会にあわせて、自治体労働者平和のつどいが開催。開催にあたって広島市、長崎市、兵庫県・宝塚市長からメッセージが届きました。

つどいでは、神奈川原水協の笠木隆事務局長が講演。神奈川県での非核平和行政の現状をアンケートで把握し、結果を各自治体に送ったところ、「他自治体のとりくみを初めて知った。ヒントになる」と喜ばれており、自治体間と市民で非核平和行政を共有することが大切だと話しました。

非核平和の日本めざす運動に自治体の役割が必要不可欠だと語りました。つどいの最後にヒバクシャ国際署名を自治体ぐるみで推進しようなどの行動が提案され、参加者からの大きな拍手で承認されました。


もうすぐ全国自治研

高知よさこいで歓迎準備

▲8月11日、第65回よさこい祭り、帯屋町筋にて。みんなの気持ちが一つになって、元気と感動を与えてくれました

青年部が中心となってとりくんだ「よさこいプロジェクト」は、四国4県から参加した80人が「高知自治労連青年部EIYANCA」チームとして、8月10~11日に開催された第65回よさこい祭りに参加しました。

11日の帯屋町筋(写真)演舞場で最後の踊りを披露した後には、感激して涙ぐむ参加者の姿も見られました。次はいよいよ、「自治研全国集会」で披露します。試練を乗り越え、気持ちが一つとなった〝よさこい〟で迎えたいと思います。「待ちゆうきね!」


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