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地域を自分たちの目で見てまちづくり 市民の幸せを実現することが行政の目的

岡山県地方自治研究集会2019

▲自治労連岡山県本部をはじめ22団体でつくる実行委員会が主催し、全体会で鷲尾裕実行委員会事務局長(岡山県本部委員長)が「参加者へのメッセージ」を伝えました

「岡山県地方自治研究集会2019」が3月17日に岡山市内で開催され、自治体職員と市民のべ117人が参加しました。

記念講演 地域資源を生かした魅力あるまちづくり

全体会の記念講演では、岡山県真庭(まにわ)市の太田昇市長が「里山資本主義 真庭の挑戦」と題して、森林などの地域資源をいかしたまちづくりを紹介しました。

真庭市は、2005年3月31日に鳥取県に隣接する9町村が合併して誕生。人口減少・高齢化の課題を抱えながら、地域の資源を循環させた経済やコミュニティづくりをすすめる「里山資本主義」を実践してきました。

鉄筋鉄骨に代わる新構造材CLT(直交集成板)に力を入れるなど、雇用や産業の創出に成功し、真庭市の木材製品の出荷額を押し上げ、伸び率も向上しました。廃材を利用したバイオマス発電や太陽光発電による、市役所本庁舎100%使用や、市内小中学校など45施設への電力供給を行っています。

太田市長は、合併前の旧9町村地域それぞれのとりくみも紹介し、「市民一人ひとりを大切にして、市民の幸せを実現することが行政の目的」と、真庭市の人口増に向けた挑戦を語りました。

記念講演について、「『政府言いなりではなく、自分の地域を自分たちの目で見て、計画を立てていく姿勢が大切。調査・提言などを安易に業者委託すべきでない』と言い切る真庭市長はすばらしいと思った」と感想が寄せられました。

▲記念講演を行う真庭市・太田昇市長
分科会 防災・地域おこし 公共施設・子育て

2本の特別報告「岡山県各市町村の地域おこし協力隊の現状」「小規模事業所実態調査から見えてくる状況と課題」に続いて、午後は4つの分科会で議論を深めました。

第1分科会「防災・減災と被災者支援、復旧・復興のまちづくりを考える」では、昨年被害を受けた西日本豪雨災害被害について、被災の原因や自治体の今後の対応、高齢者・障害者に対する避難支援のあり方や、復旧作業の実態が報告され、議論を深めました。

第2分科会「まちづくり・地域おこしを考える」では、県内の地域おこし協力隊の活動の様子や、若者たちの地域に根ざした活動から住民と行政でどう地域を元気にしていくか議論しました。

第3分科会「岡山県内の公共施設再編、統廃合問題を考える」では、多くの県内市町村で「公共施設等総合管理計画」のなかに小中学校の統廃合、学校給食の民営化、保育所の統廃合など30~40%もの削減計画が盛り込まれている実態と各地の住民運動が報告され、今後の運動に何が必要なのかを議論しました。

第4分科会「子どもは社会の宝もの~保育・子育てを考える」では、待機児童問題や幼児教育・保育の無償化、保育園の民間委託や統廃合、認定こども園化などの状況について報告があり、「子どもの健やかな育ち」を保障する自治体の役割や課題を学び合いました。

▲第3分科会の様子
住民が一緒になって発展させよう 参加者の感想から

「どのテーマも企画もタイムリーで有意義」「地域おこし協力隊は定着してきている。地元の若者が輝けるまちづくりという言葉が印象的だった」「日頃からの災害対策を考える上で、行政と地域、行政と住民の距離を縮めることが大切だ」などの感想が寄せられました。

全体会と分科会は、自治体と住民のくらしの現状と喫緊の課題に合致したテーマで熱心な議論が交わされ、自治体労働者と住民が一緒になって自治体や地域を守り発展させていくことの重要性を学び合いました。

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