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自治労連運動の前進へ調査研究を重ね20年

自治労連・地方自治問題研究機構 設立20周年 久保 貴裕 主任研究員 に聞く

1999年に自治労連・地方自治問題研究機構(以下、研究機構)が自治労連のシンクタンクとして設立されて今年で20周年を迎えました。研究機構の活動と実績、役割について紹介します。

研究機構ホームページ http://www.jilg.jp/

調査と研究を通し自治労連運動に貢献

研究機構は、日本の地方自治や自治体・公務公共関係労働者をめぐる理論・政策的課題の研究や、政府や財界、自治体の動向などの調査・研究を行い、自治労連運動の前進のために設立されました。

設立当初(2000年代)は、国の「地方分権改革」でおしすすめられてきた市町村合併や民間委託の問題、地方財政と自治体職員の削減などの「構造改革」に対する調査研究にとりくみ、自治労連運動に理論と政策面から貢献してきました。

研究機構は、地方分権、人事・給与、社会保障・社会福祉、地方財政の4分野と、自治体問題研究所との合同で設置した「自治体戦略2040構想研究会」の5つの研究会があり、各自治体や現場にも調査に出かけています。最近では静岡・島田市での包括委託について、弁護団とともに現地調査し、専門的見地から問題点を指摘するなど組合と連携をとりました。

異彩を放つ専門誌『自治と分権』

研究機構の活動や研究の成果を発信するために、季刊誌『自治と分権』(大月書店刊)を発行しています。各地の首長へのインタビュー記事や地方自治をめぐる最前線の問題をとりあげた研究論文、地域や自治体職場の現場や自治労連弁護団からのレポートなどが掲載されています。

憲法と地方自治をめぐる諸問題を真正面から取り上げ、地域住民や自治体職場の目線に立って発行する『自治と分権』は、地方自治専門雑誌のなかでも異彩を放っています。ぜひ、多くの職場で読んでいただきたいです。

とりくみを発展させ指針と展望示す役割

私は今年8月から専任の主任研究員として参加しており、研究活動と自治体現場での運動を結びつけることが研究者と自治労連の双方にとって大変有意義であると実感しています。

いま、政府と財界は地方自治を根底から破壊する「自治体戦略2040構想」を打ち出し、住民や自治体関係者との矛盾を広げています。自治労連は「憲法をいかし、住民生活と地方自治を守る」という特別な任務を果たすために、全国の職場・地域で、「こんな地域と職場をつくりたい」運動をすすめています。憲法と地方自治が歴史的な岐路に立つ時だからこそ、研究機構が果たす役割はますます重要です。

12月7日には、東京で研究機構20周年記念シンポジウムを行います。20年間で築いた実績をいかし、自治労連のみなさんとともに地域や自治体の職場に指針と展望を示す役割が発揮できるよう、引き続き理論的・政策的な諸課題に真正面からとりくんでいきます。

▲静岡・島田市での現地調査

▲研究機構が発行する『自治と分権』では研究機構の学者と自治体首長が毎号対談します。写真は玉城デニー沖縄県知事(右)と対談した本多滝夫・龍谷大学教授
季刊 自治と分権

出版:大月書店
定価:1000円+税・送料別
組合価格は927円(税込み・送料込み)
最新78号は2020年1月上旬発行予定。

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