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〔29〕 科学の秘めたる魅力を多くの人たちへ

かがやきDAYS2016年11月号 Vol.516

科学の秘めたる魅力を多くの人たちへ

北海道・根室市労連 鴇田(ときた) 千恵子さん
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▲日々奮闘の鴇田さん

 「理科・科学には楽しい魅力がたくさん詰まっています」。そう話すのは、根室市の保育を支えるベテラン保育士として、未来を担う子どもたちの健やかな成長のために日々奮闘している鴇田千恵子さんです。鴇田さんは「根室仮説サークル」の代表を12年間にわたって務めながら、科学館等がない根室地域において、理科・科学に対する興味・意欲を高め、その楽しさと魅力を普及するための活動に励んでいます。

 鴇田さんは職場の同僚から「根室仮説サークル」に誘われたことがきっかけで参加、実験や工作などを体験し「これは保育士としての仕事に活かせる」と思い、本格的に活動することを決心しました。

 主な活動である「わくわく科学教室」は、1992年から約25年間にわたり続けられています。理科教諭の協力を得ながら、科学の楽しさを身近に体験し、関心を深めることを目的に年4回開催しています。はじめのころは中学・高校の教諭が多く、「僕たちは小さな子どもに免疫があまりないです…」といったこともありましたが、現在は、親子、祖父母と孫など、広い世代が一緒に楽しめる教室として広く知られています。

 「小さな子どもでも大人顔負けの豊かな発想力を見せてくれるんですよ」とうれしそうに話す鴇田さん。「水を使って目に見えない空気を知る実験」「電池で電流の流れを探る実験」など、幅広い世代が身近に楽しめる実験・工作を毎回考えるのは大変だといいますが、「実験が成功した時の喜びと歓声、新たな発見があった時の感動と驚きをみんなで感じ合うことがやりがいにつながる」と笑顔を見せてくれます。

 根室から転勤した理科教諭が新たな赴任先でも同様の活動を続けていることや、過去の受講生が大学研究者や薬剤師になるなどして科学の道にすすむきっかけづくりになったと聞いた時は、「地道な活動が実を結んでよかった」と心から感動したといいます。

 「今後も理科・科学をより身近なものにし、力の限り魅力を発信し続けたい」と意気込みを語る鴇田さんの熱意は、着実に大きな輪となって広がりを見せています。

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▲子どもたちの未来を広げるわくわく科学教室の様子