第19録 「発車よーし!」鉄道の歴史は、人類の歴史
2017年8月号 Vol.525
さいたま市 鉄道博物館
「発車よーし!」鉄道の歴史は、人類の歴史
宿場町から鉄道の町へと発展した大宮
▲車輛ステーションは迫力満点! すべての車両を見てまわるだけで、時間があっという間に過ぎてしまいます
小学校は夏休み。どこかに連れて行ってとせがまれる時期ですね。今回の見聞録は子どもに人気のあるさいたま市大宮区の鉄道博物館へとご案内します。鉄道博物館は、2006年に閉館した交通博物館(東京・秋葉原万世橋)に替わる施設として、またJR東日本創立20周年記念事業として建設され2007年に開館しました。鉄道好きだけにとどまらず、大人から子どもまで人気の施設で、連休や夏休みなどには大変混み合います。
最寄駅の「鉄道博物館駅」を降りると、すぐに博物館の入り口につながっています。日曜日の朝、開館30分前ですが、すでに100人ほどの親子連れが並んでいます。子どもに人気のアトラクションである蒸気機関車の運転操作を体験できるD51シュミレータ(中学生以上)と、ミニ運転列車(小学生以上)は、開館直後に整理券配布されますが、すぐに完売です。
もしアトラクションに参加できなくても、歴代の蒸気機関車から特急列車、新幹線が並んでいる博物館内の車両ステーションは、存在の迫力や懐かしさでとても楽しい時間が過ごせます。廃線や新規車両の導入で見ることがなくなった車両の一部座席や運転席に入ることができます。
そして、世界初の蒸気機関車誕生や、日本の国鉄時代の資料の常設展示を一度じっくりと見てはいかがですか。とくに1987年国鉄民営化からちょうど30年が経過した近代鉄道の歩みは、住民の足としての公共交通機関が民営化によって今現在どうなったのか、みなさんの記憶も手繰りながら、ぜひ考察してほしいコーナーです。
大宮は鉄道と縁の深い土地
大宮地区は、昔から氷川神社や中山道の宿場町がありました。明治になって宿場町は衰え、大宮にはなかなか駅が作られなかったのですが、「大宮に駅を」と知恵を絞り、氷川神社の自然や景観を活用した料亭など、一大リゾート開発を行い、念願の大宮駅開設にこぎつけました。その後、高崎線から東北線(宇都宮線)の分岐点として立地の良い大宮駅が選ばれたためさらに発展していきます。
国鉄時代に大宮鉄道工場が設置されるなど、鉄道の町として発展してきたことから、鉄道博物館も大宮に移設されたそうです。
なお、埼玉では今年8月に自治労連第39回定期大会が行われます。
▲ミニ車両のジオラマも大人気。大人も子どもも楽しませてくれます
見聞録メモ
【鉄道博物館】
交通:JR大宮駅よりニューシャトル「鉄道博物館(大成)駅」下車徒歩1分
入館料:一般1000円、小中学生500円、幼児200円
開館時間:10時~18時
休館日:毎週火曜日・年末年始
問合せ:048-651-0088