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第29録 真夏のストーブ列車 室温50℃の思い出を

いい旅ニッポン見聞録2018年7月号 Vol.536

日本最北の私鉄で立倭武多(たちねぷた)祭へ

真夏のストーブ列車 室温50℃の思い出を

青森県津軽地方・五所川原市

▲ストーブに石炭を追加し、乗客にアツーいおもてなしをする車掌さん

青森県津軽地方にあるローカル線「津軽鉄道」。1930(昭和5年)に開業した〝日本最北の私鉄〟津軽鉄道株式会社が運営しています。

津軽五所川原~津軽中里間20.7キロを走る真冬の風物詩「ストーブ列車」が有名です。開業した年の冬12月から運行を開始。1944~46(昭和21)年は戦時中で物資欠乏のため中止されましたが、1947(昭和22)年から再び運行され現在に至っています。現在運行されているストーブ列車は4代目の客車となっておりノスタルジックな外観です。

昔ながらの石炭ストーブがついた客室に乗り込めば、車窓からは〝地吹雪〟(積もった雪が強風で舞い上げられ視界がきかない状況、都会ではホワイトアウトとも言うらしい)により白一色の冬の景色を眺めることができます。

この列車を、あえて真夏の8月に走らせ、乗客にアツーい「おもてなし」をしようと、立佞武多(たちねぷた)祭り期間中の2日間だけ〝真夏のストーブ列車〟が運行されます。

乗務員がストーブにどんどん石炭をつめこみ、車内温度はなんと50度まで上昇。ストーブの上で焼いたアツアツのスルメと、しゃっこい(冷たい)ビール、アイスクリーム、そして車窓から見える津軽の田園風景が一味違う夏の思い出を演出します。決して我慢大会ではないので、走り出したら窓を開けて自然の風を浴びながら楽しむイベントです。

西日本からこられた方は、青森の夏は「涼しい」「寒い」といいますが、五所川原市の祭『五所川原立佞武多』とあわせて参加すれば熱気あるパワーをもらって元気っこが出るのではないでしょうか。(青森県津軽地域の方言〝津軽弁〟ではなにかと〝っこ〟を付けます。例:飴→あめっこ)

追伸、津軽鉄道には〝津軽弁なまりのきつい〟(方言が強い)アテンダントが乗車しており、津軽半島の観光案内もしてくれます。

▲キンキンに冷えた地サイダーで乾杯

▲スルメを焼く香りがたまりません

見聞録メモ
【真夏のストーブ列車運行期間】五所川原市〝立佞武多〟祭の実施期間8月4~8日のうち6日(月)と8日(水)の2日間、1日1往復100名限定/問い合せ:津軽鉄道株式会社:0173-34-2148
季節ごとに様々なイベント列車を運行。ストーブ列車(12月1日~翌3月末)、風鈴列車(7月1日~8月末、期間中全列車)、鈴虫列車(9月1日~10月中旬、期間中全列車)や、納涼!生ビール列車(7月20、21日)などもあります。(車両の貸切・車両追加での独自企画開催も可能)