13冊目 陰謀の日本中世史
2019年2月号 Vol.543
13冊目
陰謀の日本中世史
呉座勇一 著
ベストセラー『応仁の乱』の著者が日本中世史における「陰謀論」を「実証的に」分析した本。
鎌倉幕府、室町幕府成立に関する陰謀、応仁の乱や本能寺の変、関ヶ原の戦いの「黒幕」…。まことしやかに語られる陰謀論に対し、史料に基づく解釈を示し、数々の陰謀論に共通する「因果関係の単純化」「論理の飛躍」「結果からの逆算」といった性質やなぜそれを人々が信じてしまうのかが述べられます。SNS等で「陰謀論」による安易な説明が飛び交う今、それらを正しく見分けること、立場にかかわらず、根拠に基づき、理性的な推論を行うことの重要性を考えさせられます。
角川書店
2018年3月発行
新書版 344ページ
定価:880円+税