〔55〕この町でがんばる人たちにエールを
2019年3月号 Vol.544
この町でがんばる人たちにエールを
山口・周南市職労 亀谷(かめがい) 忠史(ただふみ)さん
▲「鹿野町は他のところにはないものがある町です」と語る亀谷さん
周南市役所に入職して9年目となる亀谷忠史さん。生まれ故郷である鹿野町の総合支所に勤務した後、生活支援課を経て「山口ゆめ花博」の推進室に出向し、間もなく2年が経ちます。
亀谷さんは、まちづくり応援の口コミ情報ペーパー『えーる!』(月1回・750部)を発行しています。入職する前年2月から個人で創刊して10年が経ちますが、「取材・写真撮影から原稿執筆、レイアウト、印刷、新聞折り込みまで1人でやっています」と驚きの発言がありました。
亀谷さんのどこにそんなエネルギーがあるのでしょうか? 亀谷さんは、中学生の頃までは他人に対してあまり関心はなかったそうです。ところが高校に入ってから、「くじ引きで夏の甲子園予選の応援団員に当たってしまい、気がついたら無我夢中で大学も応援団に入りました」と言います。応援団を通じて、「がんばっている人を応援したい」と思う自分に気づいたそうです。
また「高校時代には文芸部にも所属し、小説を書きました。文芸誌を発行していたおかげで原稿を書く力と発行を支えるスポンサー集めで、知らない店に飛び込む度胸もつきました」と言います。『えーる!』発行への道が自ずと見えてきたようです。
亀谷さんは山口新聞のコラム『東流西流』に何回か寄稿しています。「高校卒業までこの町のことは好きではなかった。遊ぶ場所もコンビニもない、何も『ない』町などと思っていた。大学卒業後、就職し、疲れ果てて町に帰ってきたとき気がついた。鹿野町は『ない』ものが『ある』町なんだ」「春、耕された畑からは土が匂う。夏、せみの声がやかましく響く、秋、山々が赤く染まり、冬、うんと雪が降る。確かに『ない』ものが多いけれど、他の所にはないものが『ある』。心の底から感じさせられた。この町のことをたくさんの人に知ってもらいたい」(コラムより一部抜粋)
「この町でがんばる人たちへエールを送りたい」という思いから活動を開始した亀谷さん。いまでは、町の人が特ダネを知らせてくれたり、『えーる!』に登場した大工さんとパン屋さんがつながったり、『えーる!』が点と点をつなぐきっかけになっています。
▲「山口ゆめ花博」をPRする亀谷さん