21冊目 『民主主義』
2019年11月号 Vol.552
21冊目
『民主主義』
文部省 著
タイトルを見ただけで、これは何? なんと「文部省著」となっています。「本書は、文部省著作教科書として、昭和二十三年十月および昭和二十四年八月に上下巻で刊行されたものを一冊にまとめたものです」とあり、今のように教科書会社が作成した教科書を検定したものではありません。当時の社会状況のもとで、上からの改革として民主主義を浸透させるのではなく、民主主義とは何か、なぜ必要かを丁寧に説き、中高校生がきちんと理解できることに力点を置いていることは本当にすばらしい。17章で構成されており、400ページをゆうに超える分量であることにも驚かされます。
角川ソフィア文庫
2018年10月発行
文庫版464ページ
価格:920円+税