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思いひとつに春を呼ぶ このまちでずっと。住民のために

北海道 根室市労連

▲本土最東端でもある納沙布(のさっぷ)岬。晴れた日は海の向こうに北方領土が肉眼で見えます。2月に入ると流氷がやってきます

北海道の最東部、根室半島に位置する根室市は、太平洋とオホーツク海に囲まれ、サンマ、鮭、昆布や花咲ガニなど水産業を中心とする人口約2万5500人の自治体です。人口減にともなう産業の衰退と、自治体職場の人手不足に悩みながらも、住民のために働く根室の仲間を訪ねました。

根室のために何かできないか

地元で漁業を営む家庭に生まれた鈴木大介さんは、「根室に残りたい」「漁業者や住民のために何かできないか」との思いで入職しました。

入職後、税務課で固定資産税を担当。「土地の価格は下げ止まりですが、近年は太陽光パネルの税収が増えています。ただ、全体的には人口減などで財政は厳しい状況です」と教えてくれました。

鈴木さんは、昨年11月に欠員が続く社会福祉課へ異動することになりました。「新しい職場で大変です。やはり人員不足は深刻です」と職場改善と人員増を訴えます。

自然、北方領土への思いを次の世代へ

市民環境課の本山雅士さんは、水質検査技師として入職。人員縮小などで市の水質検査は民間委託となりましたが、環境保護や公害対策などに長く携わってきました。「船に乗ってオホーツク海や太平洋、白鳥で有名な風蓮湖(ふうれんこ)などの水質検査をしていました」「入職した頃に比べて職員はすごく減ってしまった。水質調査も民間委託や北海道の検査に戻したり。市独自の検査はもうできないですね」と業務の継承の困難さを語ります。

本山さんには北方領土の国後(くなしり)島出身の家族がおり、「住民も職員も島への思い入れがあります。もともと根室は、島とともに発展してきました。戦後島を追われてきたことは普段あまり話しませんが、当時の楽しかったことや自然の素晴らしさは語り継がれています」と、根室の人々が望郷の思いを大事にしていることを教えてくれました。

昨年11月に本庁支部の副委員長を退任し、今年3月末で定年退職となる本山さんは「組合員の不安と不満を聞いてくれる組合、後輩の話を聞いてあげられる職員になってほしい」と次の世代にエールを送ります。

人員確保と職場の改善はみんなの思い

鈴木さんは、昨年11月から本庁支部の書記次長に就任しました。「この間、職場からアンケートをとり、人員増と職場環境改善の準備をすすめています」

昨年8月に行った職場アンケートでは、回答者171人のうち「人を増やしてほしい」「業務を見直してほしい」との声が約65%。また、時間外手当については半数近くの職員が「時々申請できていない」「まったく申請できていない」と回答しています。

業務に必要な残業は管理職がきちんと超勤命令を出し、職員もしっかりと申請できるようとりくみながら、根室市労連は人員不足解消と職場改善に向け奮闘中です。

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