子どもたちの安全を最優先に 新型コロナで職場・地域は今
国の責任で予算とマスクの確保を 千葉市学童保育指導員労働組合
▲桜が咲いた公園で外遊びを楽しむ児童たちと話す指導員
新型コロナウイルス感染症への対策として行われた一斉休校により、千葉市内の学童保育の現場では対応に苦慮しながらも、子どもたちの安全・安心のために奮闘しています。現場からの声と、千葉市学童保育指導員労働組合のとりくみを紹介します(3月25日取材)。
取材に訪れた千葉市の学童保育の現場。晴天に恵まれたこの日、長い臨時休校から春休みに入った児童たちは学童に集まって外遊びに夢中です。声をかけて休校中の感想を聞いてみると「学校が休みでつまらなかった」「でも今日は友達と遊べて楽しい」と元気な声で答えてくれました。
学童と学校の連携で子どもたちを守る
政府からの一斉休校の要請を受けて、千葉市では3月3日から休校を実施。児童の自宅待機が困難な場合、朝8時から14時30分まで、小学校で児童の受け入れが行われました(小学校1~4年生及び特別支援学級の児童で希望者。児童の見守りは学校職員が対応)。
休校をめぐる対応について指導員に話を聞くと「毎日、情報を確認しあっていた。明日どうなるかの不安がつねにあった。しかし、休校が始まる時点で学校と連携ができ、余裕をもって連日開所できた。開所前に子どもたちの状況を確認できる時間が取れるだけで全然ちがう。市として学童に丸投げせず、学童の現場実態を理解した対応がされたと思う」と話します。
自治体が責任を持つことの当たり前を実感
千葉市のある学童保育現場では、「休校中は子どもの習い事も休みになり、保護者の協力もあって、学童に来る児童の人数も少なく、人員的にも対応に余裕ができた」「普段と違い、ゆっくりと過ごすことができたのではないか」と指導員は振り返ります。
対応に追われながらも「こんな時だからこそ、自治体が責任を持たないといけない」と奮闘してきた指導員の仲間たち。仕事のやりがいについても「子どもの成長が楽しみ」「昔学童に来ていた児童が成長して、親になって自分の子どもを学童に預けてくれている」など語ってくれました。
労働組合の要請で国と自治体を動かす
千葉市学童保育指導員労働組合の白濱二郎さんは、自治労連学童保育連絡会事務局長として3月5日に厚生労働省に、3月11日に千葉県教育委員会に緊急要請。白濱さんは「感染拡大を防ぐために、病院等と同じように国の責任で子どもや職員のマスクなどを確保すべき。また国の通知では教室、図書館、体育館、校庭等が利用可能とされているが、保健室の記載がない。保健室も利用できるように」など全国の実態を伝えながら改善を訴えました。
要請後、国は一斉休校における学童保育への財政措置について、1施設1日あたりの交付金を当初の金額から2万円上乗せし3万200円の補助とし、マスクの在庫放出を自治体に要請するなど改善を通知。国を動かしました。白濱さんは「労働組合がすぐに動いた成果です。人員不足も改善していきたい」と組合の重要性と決意を語ってくれました。
▲千葉県教育委員会への緊急要請(右から3人目が白濱さん)
▲児童の元気な声が住宅地にひろがります
▲千葉市学童保育指導員 労組の白濱二郎さん