すすむ非正規公共63 公務労働に正規も非正規もない
大阪自治労連
▲要求書を提出する大阪自治労連公務公共一般労組門真分会(左)
大阪自治労連は、会計年度任用職員制度の施行に向けて各単組で2年近く労使交渉を重ね、到達点や問題点などの情報を共有してきました。
労使交渉で明らかになったのは、非正規公務員に対する冷酷な差別です。雇用はあくまで会計年度内の任用であり「継続雇用」の概念がありません。再度の任用回数を決めていますが、雇い止めの不安は消えません。昇給はあるが、1年1号で10回まで等、10年以上働いてもキャリアが加味されません。
期末手当が支給されると言いますが、その財源捻出のために月例給を減額し、一時金にまわす自治体が少なくありません。原因は財政措置を怠った国にあります。当局は「年収ベースでは増えている」と説明しますが、低賃金の月例給を減額すれば生活に支障をきたします。「私たちにも生活がある。これではやっていけない」と臨時・非常勤職員から怒りの声があがるのは当然です。
条例でフルタイムと短時間を設けても、実際は短時間だけの自治体があります。人件費が削減でき、退職手当を支給せずに済むからです。臨時・非常勤職員の仕事や生活より、制度の導入を優先する自治体当局の非情さが表れています。
大阪自治労連の荒田功副委員長は「公務労働に正規も非正規もない。同じ『全体の奉仕者』だ。自治体当局は長年にわたり、臨時・非常勤職員が『自治体労働者としての誇り』をもって、住民のために働き続けてきたことに敬意を払わなければならない。会計年度任用職員の要求をかかげ、正規・非正規の差別を認めないたたかいが新たに始まる」として、実態を告発する記者会見の準備をすすめています。