主張 憲法施行73年
今こそ憲法をいかし、コロナ危機打開を
5月3日、新型コロナウイルスの感染が拡大するなかで、施行から73年の憲法記念日を迎えました。日本国憲法は1946年11月に公布、47年5月3日に施行されました。前文では、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」との決意と、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」と謳っています。今日のコロナ禍の世界の状況を見れば、日本国憲法がかかげる理念を、今こそ全世界的にいかすことが求められています。
コロナ危機に乗じた改憲策動を許さない
世界では、ローマ教皇が4月の復活祭メッセージで「今は武器を製造し、取引するときではない」「そのために費やされる莫大な資産は、人々をいやし、いのちを救うために使われるべきです」と呼びかけました。軍事費を人々のくらしにという考えもまた、戦争放棄・戦力不保持を規定した憲法9条と重なり合うものです。
一方、安倍首相は「新型コロナウイルスへの対応も踏まえつつ、国会の憲法審査会で議論を期待したい」と「緊急事態条項」創設に絡めた新たな改憲策動を強めています。さらには、政府・与党が、黒川弘務東京高検検事長の定年を特例的に延長することを可能にする閣議決定を強行し、検察庁法改定案をすすめようとしました。しかし、ネットをはじめマスメディアで反対世論が急速に広がり、日弁連や検察OBも声をあげ、5月18日に今国会での成立断念に追い込みました。さらに、黒川氏が緊急事態宣言の最中、賭けマージャンをしていたことが明らかになり、22日に辞職しました。
今こそ、安倍政権退陣の声を強めよう
安倍政権の責任は重く、黒川氏の定年延長をなぜ決めたのか、さらに軽すぎる処分についても今国会での徹底究明が必要です。
報道各社の世論調査では内閣支持率が『毎日新聞』(5月23日)によると、前回から13ポイント急落して27%。『朝日新聞』(23、24日)は29%で、第2次安倍政権発足以来最低を記録し、政権維持の「危険水域」とされる20%台に下落しました。
これらは森友・加計学園問題、桜を見る会など、安倍政権へのこれまでの不信感が表面化したものであり、今こそ安倍政権退陣の声を強めなければなりません。