コロナ禍だからこそ最賃の大幅引き上げを
全労連 オンライン最賃集会 全国どこでも生計費は同じ
▲全国でとりくまれている最低生計費調査(一部)
全国一律最低賃金制度の確立と時給1500円実現に向け、全労連は、6月28日に「コロナに克つ!いまでしょ!全国一律最低賃金1500円オンライン集会」を実施しました。全国から約400人が参加し、自治労連からは長野県自治労連とかごしま自治労連の仲間が発言し、各地の最賃引き上げの運動について交流しました。
全国一律最賃1500円の必要性が明らかに
オンライン集会のパネリストとして参加した中澤秀一静岡県立大学短期大学部准教授は、各地でとりくまれた生計費調査で1500~1600円水準となった結果から「最低賃金1500円に引き上げ」と地域間格差をなくす「全国一律制度」の必要性を解説。また、公務員賃金にも触れて「人事院や地方人事委員会が調査し、もちいる『標準生計費』は、算出の過程で低い水準になっている。検証したくても法的に公表できずブラックボックスになっている」と問題点を指摘しました。
生計費調査で賃上げに自信と根拠
長野・上田市職労の柘植(つげ)陽介書記次長は、今年とりくんだ生計費調査の結果と意義を報告。上田市職労では同期ごとに職員を集めて調査の説明会を開催し、「長野県の生計費を調べよう。最低賃金を引き上げよう」「生計費が公務員の仕事の大本である憲法25条の『健康で文化的な最低限度の生活』であることを強調して調査のお願いをした」と振り返りました。
「説明会は14回行い、391人に調査票を配り254人から回収することができた。長野県労連全体では3686人の調査票が集まった」と報告。調査に参加した青年の様子に触れ、「賃金引き上げの自信と根拠になった」と語りました。
最低賃金引き上げは非正規の賃上げに直結
かごしま自治労連の小柴健介書記長は、「小中学校で働く学校用務員が、今年4月から会計年度任用職員となり、月2万~3万円ほど賃上げされ、一時金も出るようになった。それでも月額15万円ほどで、副業をせざるを得ない」と厳しい実態を紹介しました。
また、「県の公園を管理する指定管理職場で時給を引き上げたが、上げ幅はほぼ最低賃金の引き上げ幅。最低賃金を引き上げれば、自治体非正規・公務公共労働者の賃金を引き上げることに直結する」と指摘。「自治体・非正規雇用労働者にも、25万円の賃金を保障できるよう、全国一律最低賃金制度と最低賃金の大幅引き上げを実現したい」と決意を話しました。
▲オンライン集会でのパネルディスカッションを行う黒澤幸一・全労連事務局次長、パネリストの竹信三恵子和光大学名誉教授と中澤秀一静岡県立大学短期大学部准教授(右上から時計回り)