主張 秋季年末闘争
今こそ公務の拡充と労働者の賃金・労働環境の改善を
欧州で再び新型コロナ感染が広がり、日本でも感染者数は微増の状況です。再燃が危惧され、収束が見通せないなか、国が行うべきは感染拡大防止と、窮地にある国民生活といのちを守る政策です。
しかし、菅首相は「まずは自助」をかかげ、「規制改革を全力ですすめる」など、社会保障への国の責任を放棄し、行政のデジタル化をすすめるなど、自治体のあり方も変質させようとしています。
コロナ危機で民営化、人員削減、非正規化の間違い明らかに
先日、自治労連が行った保健所の実態調査と政策提言の記者会見では、感染症対策を担う保健所が減らされてきたことや、新型コロナ対応でパンク状態の保健所について非常に大きな反響が寄せられました。
「行政改革といって公務員を減らしていった結果」「人を減らす方向性が間違っていた」など、これまでの民営化、人員削減、非正規化は間違いであったことが、国民にも明らかになってきました。
今こそ、憲法をいかし、住民のいのちとくらしを守りきる自治体の役割を果たすため、直営・正規での公務・公共サービスの拡充、職員が安心して働ける職場環境をつくる予算・人員要求に確信をもち、たたかいをすすめましょう。
生計費原則にもとづく公務の賃金改善を21春闘につなげる
そして、コロナ危機と昨年の消費税増税等により冷え込んだ消費需要を拡大し、経済的危機を打開するためには、労働者の賃金引き上げが必要であり、この秋のたたかいが非常に重要です。
「一時金引き下げ、給与改定なし」の勧告・報告は、コロナ危機対応で懸命に奮闘する公務労働者や困窮する国民・労働者のくらしの改善要求にまったく応えていません。コロナ危機の今だからこそ、生計費原則にもとづき抜本的に改善すべきです。
さらに、会計年度任用職員制度について財政難を理由にした脱法的な運用や、正規職員との差別的取り扱いをただちに改善させなくてはなりません。郵政20条裁判では、手当や休暇制度について正規との格差は不合理であるとする最高裁判決(10月15日)が確定し、非正規労働者の均等待遇実現へ大きな一歩となりました。
民間と公務のたたかいを一体に、確定闘争での前進を国民春闘につないで賃上げサイクルをつくるため全国で奮闘しましょう。