主張 コロナ感染拡大
今こそ、住民のいのちとくらしを守る自治体に
11月から日本でも再び、新型コロナ感染が急増しています。コロナ感染拡大により、休業・廃業を検討する中小企業は31万社にのぼり、非正規労働者は120万人以上減少しています。そして、コロナ関連の解雇や雇い止めは、7万人を超えています。こうしたなか、菅首相は、「自助」を強調し、「Go To キャンペーン」を推進していますが、国民からは、直接的な支援を求める声が広がっています。
再度のロックダウンを表明したフランスでは、休業要請にあたって、中小事業者に毎月最大約120万円の補償金を用意するとしました。また、同じくイギリスでは、休暇を余儀なくされた労働者に月約33万円を上限に給与の8割を支援する補償の延長を柱とする約27兆円規模の新たな経済対策を発表しています。政府には、くらし、雇用、営業を守る施策が求められています。
社会保障の解体と「自己責任化」許すな
市役所、区役所の国保や生活保護、税の職場や教育委員会には、くらし向きが悪化するなかで、相談に来る住民が増えています。地方自治体は、住民のいのちとくらしを守る砦としての役割を持っています。支援を必要とする人が安心して相談できるようにするためにも、職員を確保することと体制の確保が必要です。いのちとくらしを支えられるよう制度を拡充することが必要です。
こうしたなか、政府が「全世代型社会保障改革」の名のもとに社会保障を解体し、「自己責任化」をすすめようとしていることは決して許されません。
大企業は内部留保の社会的還元を
コロナ感染で経済は大変だといっても、大企業は、1年間の通算では減益になっただけで、儲けを溜め込んでいます。大企業5800社の2019年度の内部留保は10兆円を積み上げ、459兆円になっています。コロナ禍の厳しい経済状況を打開する方法は、GDPの6割を占める労働者・国民の所得を増やして、消費を喚起し、景気を回復させることです。特にコロナ危機において、その痛みが集中しているのが労働者の4割を占める非正規労働者であり、女性や若者です。コロナ危機だからこそ賃金の大幅引き上げ、底上げとともに、最低賃金全国一律1500円への改善を実現することが21国民春闘の大きな課題です。