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26冊目 東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓(つまず)いたのか

図書館の本棚2020年4月号 Vol.557

26冊目

東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓(つまず)いたのか

中村淳彦 著

働く単身女性の3人に1人が貧困状態と言われています。それが最も端的に現れている東京に住む貧困女性たちを取材したノンフィクションです。登場する女性たちの属性はシングルマザー、図書館の臨時職員、介護職員、中高年女性など、どこにでもいる女性です。

真面目に働いているだけで貧困に転落していく負の連鎖と彼女たちを待ち受ける現実。彼女たちに対し、努力不足や自分自身の選択の結果といった「自己責任論」が叩きつけられることに著者は憤り、それを生んだのは、民営化、規制緩和、市場原理、労働の自由化などの新自由主義路線を推進する現政権であると断罪します。

東洋経済新報社
2019年4月発行
四六版 350ページ
定価:1,500円+税