〔68〕いのちの水を守る若き委員長
2020年5月号 Vol.558
いのちの水を守る若き委員長
千葉・三芳(みよし)水道企業団労組 川名(かわな)健太(けんた)さん
▲最高の笑顔を見せてくれる川名さん
カメラを向けると満面の笑顔で応えてくれる川名健太さんは、三芳水道企業団労組の若き委員長です。学習会や自治労連共済の普及にとりくむなど、職場で組合を身近に感じてもらおうとがんばっています。
千葉県南部は、昨年9月の台風15号で大きな被害を受けました。住民は、強風による家屋の被害に加え、猛暑のなかでの停電に苦しみました。そんななかでも三芳水道企業団は、南房総市の一部と館山市の、管内2万3423戸(給水人口5万3421人)の99・4%に水を供給し続けました。各地の浄水場・配水場に整備している自家発電装置でポンプを動かすことができたからです。
発電機は一つ数千万円以上。機械の更新時には議論もありましたが、月1回の試験運転など日頃のメンテナンスの甲斐もあって、3・11に続いて今回も活躍してくれました。地元建設業者が土砂崩れ対応に追われている際には、企業団職員が直接水道管の補修工事を行うこともあり、直営の即応力が発揮されました。組合は、いのちの水の供給を守るため、継続した職員採用を求めています。
消防団員としてアラフォー・チーム奮闘
地元の消防団員としてもがんばっている川名さん。昨年は、消防の操法大会に出場しました。消防操法は、「消防操法の基準」に則った消防器具操作の手順や動きの「型」のようなもので、大会では1チーム5人で一連の動きの速さや正確さ連携の精度などを競い合います。20~30代中心のチームが多いなか、川名さんのチームは平均年齢40歳という「アラフォー・チーム」でした。
10月から12月まで基礎練習に励み、1月から5月まで週3回の練習に明け暮れました。「後半はさすがに疲れがたまって朝から体が重かった」と笑います。若さや元気は20代中心のチームには敵いませんが、操法は息の合った動きの美しさもポイントとなります。また、若者にはない人生経験があります。「失敗を責めても何も生まない」と、互いに褒め合い励まし合い、モチベーションを維持したと振り返ります。さらに、前年に出場した近所の消防団からのサポートも受け、本番へ追い上げをかけました。そうして迎えた6月の安房郡市大会。近隣の自治体の代表4チームで競う大会に館山市代表として出場し、見事優勝を勝ち取ったのです。
付き合いが大変な面もあるそうですが、「義務教育後に薄れていた地元との結びつきが強まった」と消防団も楽しんでいるようです。
▲安房郡市大会で優勝!後列中央が川名さん
▲操法の基礎体力づくりに乗り始めたロードバイク。海岸沿いを走る気持ちよさにすっかりハマっているそう