〔71〕子どもたちのためにも公正公平を貫きたい
2020年8月号 Vol.561
子どもたちのためにも公正公平を貫きたい
滋賀・彦根愛知(えち)犬上広域行政組合職労 寺田(てらだ)哲哉(てつや)さん
▲県学童野球彦根予選大会に臨む寺田哲哉さん(彦根市荒神山球場にて)
深々と一礼して球場に入り、同じく一礼して球場を去る。スカイブルーの審判服に身を包み「基本ですから」と笑顔で語るのは、彦根愛知犬上広域行政組合職員労働組合の書記長を務める寺田哲哉さん。野球と子どもが大好きな一男一女の父親は、全日本軟式野球連盟公式審判員(彦根学童野球連盟所属)や佐和山スポーツ少年団の指導員など独学で資格を取得し、子どもたちの育成に汗を流します。社会人野球の審判を頼まれることも。
きっかけは地元の声 周囲の理解あってこそ
長女と長男が学童野球をしていた頃、「ぜひ審判をやってほしい」と声がかかり、断りきれず引き受けたのがきっかけとか。報酬等はなく、一切がボランティア。服装も備品も、すべて自前で揃えます。資格取得後も、常にルール変更等への対応など研鑽を積んでいます。「一番意識していることは公正公平なジャッジ。それが子どもたちのためにもなる。報酬は子どもたちの笑顔です!」と熱い信念を語ります。
試合は土日が基本。家族との時間もなかなか取れませんが、中学生になって長女はハンドボール部、長男は野球部と運動部へすすみました。奥様も2人の子どもたちも、寺田さんのことを理解してくれています。また、休日出勤と試合出場が重なる時は、審判仲間や職場の同僚に相談して交代してもらうなど、周囲にも支えられながら続けています。
組合員の想いを実現するのが労働組合
職場は広域行政組合が運営する斎場で、土日の一部民営化以外は直営を堅持。民間委託では「偽装請負」のリスクだけではなく、職員に急な欠勤が生じた場合などに代わりの人員派遣を要請しても、「そんな契約にはなっていない」と断られるケースもあるため、公の施設は本来直営であるべきと考えています。
以前は別の組合に加入していましたが、「要求がなかなか実現できず不安感が強かった。自治労連に相談して交渉したところ、それまで実現できなかった要求が実現でき、とても驚いた。それで自治労連に加入した」と言います。その後も数々の要求を実現し、「安心して仕事ができるようになった。何かあればすぐに動いてくれるのが自治労連。引き続き職場の声や組合員の想いに応え、住民からも親しまれる職場づくりに、職員としても組合員としてもがんばりたい」と胸を張ります。
▲同僚と打ち合せをする寺田さん(左)
▲「ストライク」と力強く拳を突き上げる寺田さん