コロナ危機のもと賃上げ・人員増は最重要
自治労連2020~21「働くみんなの要求・職場アンケート」 [職場の実態編]
公務職場の実態は、サービス・不払い残業が4割近くもあり、もっとも多い理由が「申請しづらい雰囲気がある」など、深刻な状況は続いています。一方で、アンケートからは仕事へのやりがいを感じている仲間が多いこともわかります。
「不払い残業あり」は4割近く、年休取得日数は減少
最近1カ月の平均残業時間は、12時間29分(昨年13時間44分)となっています。
サービス・不払い残業も平均で10時間22分(昨年11時間12分)と減少しています。また、不払い残業「あり」は、37.9(昨年43.4)%と4割近くもあります。
不払い残業の理由では、「申請しづらい雰囲気がある」が33.9(昨年38.9)%と昨年よりもやや減少しましたが、理由の中ではもっとも高い割合を占めました。また、「短時間の残業だから」は31.8(昨年32.7)%とほぼ変わらない状況です。
自己の責任を理由とした回答では「自分の仕事が遅いため」「自分の勉強や研修だから」を合わせると24.9(昨年33.6)%と減少しています。「持ち帰り残業だから」が13.7(昨年18.2)%もあるのも軽視できません。
さらに、「残業手当の制度がない」「手当額や残業時間の上限設定がある」「申請してもカットされる」といった違法な残業が15.4(昨年23.9)%も占めたことも問題です。
年休については、平均取得日数が9.72(昨年10.11)日と、改善されるどころか、昨年よりもやや減少しています。
▲サービス・不払い残業の理由
「仕事にはやりがいある」が微増、職場要求上位は賃金と人員
職場の人員は「足りない」が62.4(昨年69.0)%とやや減少していますが、恒常的な人員削減による職場状況の悪化、負担の増大が続いています。
仕事のやりがいについては、「非常にやりがいがある」が19.4(昨年17.1)%、「まあまあやりがいがある」が57.0(昨年57.5)%で合わせて76.4(昨年74.6)%となり、4人中3人が「やりがい」を感じています。
長く続いてきた賃金と人員の抑制のもとで、職場要求は、「賃金・一時金引き上げ」が59.0(昨年62.0)%、「人員を増やす」が44.7(昨年47.6)%、「年休取得促進、休暇増」が31.6(昨年30.8)%となり、引き続き上位を占めています。
他に、「人員配置・人事異動の改善」27.6(昨年26.5)%、「業務量の削減」が21.9(昨年22.4)%、「仕事と家庭の両立支援の充実」が20.6(昨年19.6)%、「非正規雇用の待遇改善、正規化」が18.1(昨年18.1)%と続き、働き方の改善がいっそう求められていることがわかります。
▲仕事のやりがい
▲実現したい職場要求
アンケートの声より
●会計年度任用職員制度になり労働時間が7時間となったが、サービス残業が多く、結局臨時職員の時と同じか、それ以上に時間がかかっているので、フルタイムに戻してほしい。
●人員削減ばかりで業務量は削減されないのは不思議です。業務の削減が難しいのであれば、人員を増やすべきです。現場の声にこたえてほしいです。
●働きやすい職場環境になってほしい。上司からのパワハラを含む発言。守ってくれる職場に変わってほしい。人員も足りず、みんながみんな精一杯の範囲で働いている。もっと人員を確保し余裕がほしい(仕事の効率化、コロナの影響なのか残業手当がないため、何とかしてほしいです)。コロナ禍で仕事がとても忙しくなりました。
●会計年度任用職員として仕事をしていますが、全体的に正規職員数の不足を感じます。会計年度任用職員として業務するにあたり、業務内容を正しく把握・判断できる正規職員を望みます。
●職員はかなりリスクを感じながら勤務しています。できることはやっています(感染予防のために)。
●人員不足のため休みを取りづらい。休みを取るために、他の職員が残業(時間外対応)せざるを得なく、より申請しづらい。