主張 基本的人権の尊重
公務公共サービスは住民を守る大切な仕事
新型コロナ感染拡大で、いのちと健康を守る保健所や医療職場での奮闘が続いています。いまだ感染が拡大するなか、引き続き感染防止対策は重要です。
また、飲食店への休業要請、移動が制限されるなかで、仕事を失う人が増加しています。菅首相は、「自助」を強調しますが、個人の努力で何とかなるものではありません。厚労省によると、新型コロナ関連の解雇や雇い止めが9万人を超えました。国保や生活保護、自立支援などの職場に相談が増えており、住民のいのちとくらしを支える役割発揮が求められています。
「生活保護は受けたくない」 つくられた負のイメージ
生活保護に関して、厚労省は、ホームページに「生活保護の申請は権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあります。ためらわずにご相談ください」と相談を促す一文を掲載しました。しかし、国民のなかには、「生活保護だけは受けたくない」という雰囲気があります。
戦前は、社会保障が「施し」として扱われていました。戦後、憲法25条で生存権が謳われたものの、社会保障を抑制する政策が続き、芸能人バッシング等によって意図的に負のイメージもつくられました。
日本国憲法で「国民主権」や「平和主義」とともに、一人ひとりの人権を保障する「基本的人権の尊重」が大きな柱として謳われ、「地方自治」が確立されました。公務員は憲法15条で「全体の奉仕者」と規定され、憲法99条で「憲法を尊重し擁護する義務」があります。「国民主権」や「平和主義」を尊重・擁護し、国民一人ひとりの人権を保障するという大事な役割の担い手になったのです。
住民に寄り添い、くらしを支える職場体制の拡充を
しかし、憲法で謳われたことが自動的に実現するものではありません。この間、憲法にもとづく政治が行われず、社会保障や公務公共サービスが蔑ろにされてきましたが、職場では、住民に寄り添い、くらしを支えるための奮闘が続いています。住民に寄り添った仕事が継続できるよう職場体制の拡充は待ったなしです。
各地域で住民の声を大事にする運動が広がり、公務公共の拡充を求める声も広がっています。安心して働く職場づくりをすすめ、憲法をいかし、住民のいのちとくらしを守りきりましょう。