メニュー

シリーズ42 いちから学ぶ仕事と権利 ジェンダー視点で安心して働き続けられる職場へ

ジェンダー

ジェンダーは「社会的・文化的につくられた性差」とされ、社会制度や文化、慣習などに根付き、家族や学校、地域、メディアから影響を受け、意識的・無意識的に身についています。ジェンダーについて考えましょう。

「ジェンダー・ギャップ指数」で見える化

ジェンダー平等を実現した社会は、一人ひとりが「自分らしく生きていくこと」ができる社会です。まず、ジェンダーについて知り、「アンコンシャス・バイアス(自分自身の見方や、思い込み・勘違い、偏り)」に私たち自身が気づき、職場、家庭、地域などをジェンダーの視点で見直すことが必要です。

ジェンダーを可視化するために、各国の男女格差の状況を数値で表すジェンダー統計の一つに「ジェンダー・ギャップ指数」があります。男女間格差の解消を目的に、政治・経済・教育・健康の4項目の男女格差を数値化しランク付けしています。

日本の指数は年々下がり続け、2019年は153カ国中121位と過去最低となり、ジェンダー平等にはほど遠い状況です。特に政治や経済分野での格差が大きく、管理職に占める女性の比率は低く(129位)、国会議員に占める割合も少なく(144位)、ワースト・テンに入っています。

職場の要求項目にも「ジェンダー主流化」を

政府の「第5次男女共同参画基本計画」(2020年)では、法律や政策の作成や実行など、あらゆる施策にジェンダー平等を反映する「ジェンダー主流化」を基本方針としました。また、「諸外国の水準に追いつく取り組みをすすめる」、「法制度・慣行を見直す」、「男女が共にすすめ、家庭や地域など生活の場全体に広げる」ことを積極的にすすめる方針を示しました。

基本計画では「2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう目指し」ています。その通過水準として、2025年度末までの成果目標もあります(表1)。誰もが性別にかかわらず活躍し、指導的地位にある人々の性別に偏りがない社会をめざしています。

私たちの職場でも、「男性が育児休業を取得しやすくする(表2参照)」「仕事と育児・介護の両立ができる働き方」など、ジェンダー平等をめざすことは、一人ひとりが安心して働き続けることができる職場につながります。労働組合の要求項目や運動方針にジェンダーの視点を取り入れましょう。

関連記事

関連記事