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シリーズ44 いちから学ぶ仕事と権利 最低賃金の大幅引き上げですべての労働者の賃金底上げを

最低賃金

▲会計年度任用職員給料額別の団体数

最低賃金の全国改定目安の議論がまもなく始まります。最低賃金と公務員賃金の関係についてあらためて学び、会計年度任用職員をはじめとするすべての自治体・公務公共関係労働者の賃金改善の運動にいかしていきましょう。

全国各地で取り組まれている最低生計費試算調査では、健康で文化的な生活を送るためには、どこでも時給1500円以上必要であることが明らかになっています。

しかし、昨年4月から導入された会計年度任用職員制度は、「非正規公務員の処遇改善」が改正趣旨であったにもかかわらず、業務内容や責任、職務経験に見合わず賃金水準が低い実態のままです。

総務省が制度導入後に実施した調査でも、主な職種の給料(報酬)の平均は事務補助職員で時間給990円、給食調理員で1014円、保育所保育士で1156円と、2020年度地域別最低賃金の全国加重平均902円に張り付いていることが明らかになりました。

全国どこでも最低賃金 時給1500円は必要

最低賃金の地域間格差は拡大しており、2020年度でもっとも高い東京(1013円)ともっとも低い地域(792円)の最低賃金の差は221円で年額に換算(年間労働時間2015時間)すると約45万円、月額で3万7000円以上の差になっており、最低賃金の低い地域では人材確保も難しく深刻です。

地域手当が支給されない自治体などでは、高卒初任給を時間給に換算すると地域別最低賃金額を下回る自治体もあります。

初任給水準を引き上げれば、若手職員全体の底上げはもちろん、すべての自治体労働者の賃金底上げに波及します。最低賃金を下回る初任給水準の改善も大切です。

公務関係職場でも最低賃金大幅引き上げを

最低賃金を引き上げると地域経済にも好影響を与えます。世界ではコロナ危機でも最低賃金を引き上げています。公務員賃金引き上げと地域間格差を解消するためにも最賃引き上げと全国一律最賃制度の実現が必要です。「全国一律最低賃金1500円を求める請願署名」は与野党110名(5月20日現在)の国会議員が紹介議員となるなど、大きな世論となりつつあります。

全国一律最低時間給1500円を求める運動とともに、最低賃金法が適用除外となっている自治体職員も含めて「自治体関係職場に働くものは誰もが時給1500円以上」を求める運動が必要です。

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