主張 夏季闘争
最賃引き上げ運動を職場・地域から粘り強くすすめよう
新型コロナ感染拡大が続くなか、国民・労働者のいのちとくらしが危機にさらされています。「病院のベッドが足りない」「社会保障の充実が必要だ」といった国民の声に反して菅政権は「病床削減推進法案」や、75歳以上の高齢者の「医療費負担の2倍化法案」を強行可決するなど、いのちを危険にさらそうとしています。困窮する国民によりそった支援も休業要請に則した補償も実施しようとせず、国会審議が必要であるにも関わらず閉会しました。
感染拡大による影響で生活困窮に陥る労働者も
新型コロナ感染拡大によって格差と貧困がますます広がっています。普段は普通にくらせていると思っていた人たちも含め、アルバイトやパート契約が途切れたり、シフトが削られたり、休業が1カ月、2カ月続くとたちまち食べるものがなくなるなど、生活困窮に陥る事態が発生しています。
その背景には、労働者の賃金が低すぎる問題があります。労働者のうち4割が非正規労働者となっており、最低賃金にはりついた賃金で働いています。公務職場では、会計年度任用職員だけでなく、正規でも就職して間もない職員も最低賃金水準で働いています。最低賃金制度は、人間らしくくらしていくために必要な水準を保障するべきです。
賃金の引き上げは企業の人件費を上昇させますが、家計消費も拡大し、国内生産を誘発し、地域経済にもプラスとなります。山口県では、最低賃金を1500円に引き上げた経済効果として消費支出が2557・7億円増加すると試算されています。
政府の「骨太方針」が「全国平均1000円」を示す
6月22日から中央最低賃金審議会(中賃)が始まりました。全労連は5月31日、最賃を1500円に引き上げ、全国一律の最低賃金制度の実現を政府に求めています。26都道府県で行った最低生計費試算調査では、全国どこでも若者1人が人間らしくくらしていくためには時間額1500円以上が必要です。私たちの要求である全国一律1500円とはかけ離れていますが、政府の「骨太方針」は「全国平均1000円をめざす」と示しました。私たちの運動が確実に要求を前進させています。コロナ危機を口実にさせず、最賃引き上げの運動を職場・地域から粘り強くすすめましょう。