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シリーズ49 いちから学ぶ仕事と権利 国民的課題とともに団結して要求実現へ

国民春闘

▲毎年1月から国民春闘がスタート(写真は経団連前での春闘宣伝行動)

企業ごとの個別交渉だけでは賃金引き上げに限界があります。そこで各単組・各産別が交渉時期など歩調をあわせすすめる春闘が始まりました。そして春闘は、労働者だけでなく国民と力を合わせる「国民春闘」へと発展しました。

政府・財界と対峙するために始まった「春闘」

毎年2月ごろに春闘に関するニュースが流れますが、職場では「春闘って何ですか?」と質問が出るなど、その歴史はあまり知られていません。

春闘は、労働者・労働組合が団結して全国いっせいに交渉や運動にとりくむことです。基本的には賃金引き上げや労働条件の改善は、労使交渉で決まります。

しかし、大企業による下請け企業への単価買いたたき、長時間過密労働の蔓延、増え続ける非正規雇用、低すぎる最低賃金などの背景や問題があり、個別の労使交渉では限界があります。

政府や財界と対峙するため私たちの先輩たちは「企業の垣根をこえて結束してたたかおう」と呼びかけいっせいに交渉する春闘が始まりました。

住民と労働者が団結する「国民春闘」へ発展

戦後労働運動がすすむなか、さまざまな産別(単位産業別労働組合)が共闘するとりくみが行われました。1959年に総評と中立労連により春闘共闘委員会が結成され、春季にいっせい交渉やストライキを行う春闘が本格化しました。

1974年から、高騰する物価や税制問題、社会保障問題など国民的課題も取り上げられるようになりました。「国民春闘」と名付けられ、共闘会議の名称も国民春闘共闘会議となりました。

その後、労働運動の右翼再編を乗り越えて、1989年に結成された全労連は、純中立労組懇などとともに国民春闘共闘委員会を立ち上げました。

公務・民間と地域で共同広げ22国民春闘勝利を

自治労連は、公務・民間、正規・非正規雇用を問わず、すべての労働者の賃金引き上げによる景気回復と経済の好循環をめざしています。「生計費にもとづく賃金要求」をすすめると同時に、すべての国民に関わる政府の社会保障改悪などに反対し、社会保障・公務公共サービスの拡充や労働法制を改善させるために国民春闘に結集しています。

この間、地域では民間労組への支援や地域医療を守るとりくみなどを通して、共同を広め強めてきました。

来年の国民春闘に向けて、「こんな地域と職場をつくりたい」運動のとりくみや春闘アンケート、職場ごとの要求討議などすべての組合員参加をこの年末から準備・追求していくことが重要です。

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