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〔76〕この町すごいぞ。歴史があるぞ。

かがやきDAYS2021年2月号 Vol.567

この町すごいぞ。歴史があるぞ。

千葉・野田市職労 笹川(ささがわ) 知樹(ともき)さん

▲野田市の歴史を熱く語る笹川さん

野田市で学芸員として働く笹川知樹さん。野田の歴史について語る彼の目はイキイキしており、歴史にあまり興味のない自分も引き込まれてしまうほどです。

教員をめざしていたそうですが、歴史を深く知ってもらうには、学芸員しかないと考え、今に至るとのことです。

「野田に生まれて育った人でも、本当の街の魅力に気付いていないと思います。この町すごいぞ。歴史があるぞ。そこを多くの街の人に伝えていきたいです」と、熱く語ります。

有形文化財の登録数は千葉県ナンバーワン

野田市自体は登録有形文化財が多く、その数は千葉県ナンバーワンだそうです。

もともと野田はしょうゆの町、キッコーマンのお膝元です。古い名家が集まってキッコーマンという会社を興したので、古い建物が多いそうです。「醤油醸造を切り離して野田は語れません」と笹川さんは話します。

「学芸員の仕事は調査研究・文化財の保護などですが、それだけではなく、市民の生活のなかで、第42代内閣総理大臣・鈴木貫太郎をはじめとする郷土の偉人や歴史など、切り離してはいけないものだと浸透させていきたい」と意気込みを話してくれました。

子どもたちに地元の偉人を身近に感じてほしい

笹川さんは小学校で出前授業を行っています。子どもたちに興味をもってもらうために、クイズなど、さまざまな工夫をしているそうです。「野田市の歴史を伝えるうえで、特に力を入れているのが鈴木貫太郎記念館です。市としても地元の偉人をアピールしたいです」と話します。

「歴史を嫌いにならないでほしい。例えば、鈴木貫太郎の名前を聞くとワクワクするようになってほしい。地元の偉人を身近に感じてほしい。人となりや平和の意思を受け継いで、違う分野で活躍しても、『影響を受けた偉人です』と言ってもらえるような環境づくりが仕事だと思います」と話します。

過去にはテレビ番組に学芸員として出演した時、素手で古文書を触り、その映像がSNSなどで炎上し、騒ぎになったことも。しかし本人いわく「古文書を触れる時はキチンと手を消毒し、紙を触っている感覚を鈍らせないようにするのが基本です。学芸員なら基本です」と話してくれました。この話は持ちネタになっているそうです。

歴史の話が止まらない姿に、歴史愛や郷土愛を感じました。

▲市民講座でまちの魅力をアピールします

▲鈴木貫太郎記念館。同氏は野田市で育ち、戦時中の最後の総理として終戦工作に尽力しました