35冊目 民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日本近代
2021年2月号 Vol.567
35冊目
民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日本近代
藤野裕子 著
新政反対一揆、秩父事件、日比谷焼き打ち事件、関東大震災の際の朝鮮人虐殺という、明治・大正期の日本で起こった4つの「民衆暴力」事件の分析をとおして、民衆が暴力を行使するに至った論理と経過が丁寧に描かれます。
自らを抑圧する国家権力や社会規範に対する抵抗、被差別部落の人々などさらに弱い立場に対する排撃、関東大震災時の朝鮮人虐殺にみられる国家権力が「正当化」した民衆暴力の凄惨さ…。
忘れてはならない歴史の教訓とともに、世界各地で起こる民衆暴力の背後にあるさまざまな論理に目をこらすこと、その時の視点を教えてくれる本です。
中央公論新社
2020年8月発行
新書判240ページ
価格:820円(税別)