〔80〕無農薬の手作りジャムは汗と夢が詰まった逸品
2021年6月号 Vol.571
無農薬の手作りジャムは汗と夢が詰まった逸品
奈良自治労連 小峠(ことうげ) 憲司(けんじ)さん
▲自慢の手作りジャムと栗の渋皮煮を前に笑顔の小峠さん
小峠憲司さんは奈良自治労連の特別執行委員として活躍する傍ら、〝ジャムおじさんのブルーベリー畑〟で親しまれるなど、年齢を重ねてますます元気です。
小峠さんの自宅近くの畑には、30年以上かけて増やしてきたブルーベリーが生い茂っています。ブルーベリーにはさまざまな品種がありますが、早成り・遅成りなど品種が複数あることで長期間収穫を楽しめます。一番のお気に入りは「エリザベス」で、数年前から接ぎ木など品種整理で順調に増やしています。無農薬にこだわり、害虫を捕獲する罠を仕掛けたり、防鳥ネットを張ったり、試行錯誤の連続です。他にもかんきつ類や柿、栗、キウイ、イチジクなども育てています。
果物は生食だけではなくジャムにします。材料は果物と砂糖だけの体にやさしい自然派志向で、ビスケットやパンにつけると相性抜群。口の中に素材の風味が広がります。現在、ブルーベリー、ゆず、不知火、夏みかん、キウイ、イチジクの6種類を自家素材で作っています。栗は外側の鬼皮を、内側の渋皮を傷つけないよう丁寧に剥き、2回渋抜きをしてからじっくり煮込み渋皮煮にします。マロングラッセとは少し違う、渋皮の程よい渋味が絶品です。
自治体労働組合は職員や住民を向いた活動をしてこそ
小峠さんは奈良県職出身。組合活動をしていた当時、自治労連はまだありませんでしたが、「自治体労働組合とは当局を向いて自分たちの給料や身分保障のことばかりを追求するのではなく、もっと職員や住民を向いた活動をするべき」という信念から「奈良県庁自治体労働運動を考える会」に参加し、県内外の同じ思いを持つ仲間たちと連携して活動しました。全国各地のこうした運動の一つひとつが自治労連誕生の原点です。
定年退職後は奈良自治労連で組織拡大専任者や近畿ブロックの書記部会幹事などを歴任。県職員時代は土木の技術職、奈良県スキー連盟指導員会の元会長など多才ぶりを発揮しています。
ジャムでみんなの笑顔をつなぐ
コロナ禍前は、ブルーベリー狩りに組合員や友人を招待し、ジャムや渋皮煮でもてなしました。「落ち着いたらまたやりたいね」と笑顔がこぼれました。「みんなに喜ばれ、笑顔をつなぐジャムを作っていきたい」と夢を語ります。
▲「この小苗が1年で後ろのようにグンと大きくなる」と接ぎ木の魅力を語ります
▲手ごろなビスケットがゴージャスなスイーツタイムに大変身