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ナゼ?ナニ?自治体DX [2] 個人情報が企業の利権につながる危険

各自治体で「デジタル化(自治体DX)」に向けた議論や準備がすすむなか、あきらかになる課題や問題、現場の声を掲載します。自治労連「デジタル化と公務のあり方問題対策委員会」の伊藤英一委員(愛知・豊橋市職労委員長)に話を聞きました。

私は愛知・豊橋市役所で国保年金課、市民課、納税課に所属し、常に個人情報に携わって勤務してきました。

国がすすめる自治体DXでは、自治体ごとに管理されている個人情報へ自由にアクセスできるよう標準化がねらわれています。また、各自治体のデジタル担当部署で、民間のIT技術者をトップに据えようという動きがみられています。

民間が喉から手が出るほど欲しい住民の個人情報を自治体が提供し、営利目的に使う道を与えようとしています。大手IT企業や、場合によっては国外企業に住民の個人情報が渡ってしまい、企業の利権につながることになります。

個人情報保護の視点でも危険な動きがあります。例えば、豊橋市の個人情報保護条例では、個人情報取得の制限として、「思想信条、社会的差別の原因となる情報は原則として取得しない」と定めています。当たり前の規定だと思いますが、国の改正個人情報保護法には、こういった取得制限が定められていません。

今後、「国に合わせるように」と圧力をかけてくることが予想されます。住民の個人情報保護のためを考えれば、国の定めることに合わせるのではなく、自治体として必要だから現在ある規定を「存続させる」「必要な条文を守っていく」ことが大事になります。

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