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シリーズ50 いちから学ぶ仕事と権利 だれもが安心して働ける定年引き上げ制度を

定年引き上げ

定年退職年齢の引き上げが、2023年度から始まります。各自治体では、関係する条例や規則を来年4月1日までに改正することになります。ねばり強く交渉を行い、制度化させましょう。

全組合員で議論し意見集め労使交渉を

2023年度中に60歳になる職員への説明や制度移行の準備期間も必要ですから、どんなに遅くとも今年2022年の9月議会で条例案を可決させなければなりません。3月議会で制度化をはかって、定年1年前には対象者に説明がなされることが望ましいと言えます。

昨年12月28日に、総務省自治行政局から各都道府県・政令都市・人事委員会宛てに「定年引き上げに伴う条例及び規則等の整備の概要について」(以下「整備の概要」)と「質疑応答(第3版)」が発出されました。制度化にあたり、いよいよ本格的な定年引き上げの労使交渉の開始です。

「整備の概要」では、60歳を超える職員の給料月額を7割とするよう、一律の対応を押し付けています。7割の根拠は「国並み」としていますが、管理職で定年を迎える職員が多い国家公務員と、一般職で定年を迎える職員が多い地方公務員では事情が違います。

さらに、「60歳前後の給与水準が連続的なものとなるよう検討」とされており、これは若い人たちが現行60歳時の賃金水準に到達しないことを意味します。定年の引き上げは全世代の問題であり、全組合員の議論と意見集約が必要です。

定年かかわる労働条件 全世代で関心高く

昨年、自治労連愛知県本部では、定年引き上げに関する意識調査アンケートを行いました。「60歳を超えても働き続けられるか」の設問に対し、「はい」と答えたのは全体で24%、「時間が短ければ可能」23%、「いいえ」が14%、「どちらともいえない・わからない」が最も多く39%となりました。保育士・看護師で「はい」と答えた人はそれぞれ6%、10%ときわめて少ない結果です。また、「60歳時の給料の『7割』に下がることをどう思うか」の設問(複数回答)に対し、「少し低い」「低すぎる」「不公平だ」の声が多く集まりました(図参照)。

このアンケートでは、全世代で定年引き上げへの関心が高いことも明らかになりました。

全国の職場で議論をすすめ、だれもが安心して定年まで働き続けられる制度をめざしましょう。

▲あなたは60歳を超えても働き続けられますか

▲60歳時の給料の「7割」に下がることをどう思いますか

出典:愛知県本部が実施した「今すべてのあなたに聞きたい!定年延長アンケート」より

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