主張 物価高騰と政治の責任
物価高騰が生活直撃。国民のくらし守る政策をただちに
物価高騰が止まりません。10月1日に飲料・食品6500品目が値上げされ、今年だけで2万品目以上が値上げしました。さらに、来年1月の値上げを公表した企業もあります。
10月21日には、32年ぶりに1ドル=151円台後半となりました。今後も円安による物価高騰が続くことが容易に想定されます。それだけではありません。10月から一部の75歳以上の医療費窓口負担が2倍化されました。また、国民健康保険料は2022年度だけでも1648自治体中457自治体で引き上げられています。
労働者・国民の賃金や年金などの収入が増えないもとで、物価高騰や社会保障の負担ばかりが増え、くらしはますます厳しくなっています。政府は、一人ひとりのくらしを支える抜本的対策を今すぐとるべきです。
30年も上がらない賃金
ところが、岸田首相は「円安のメリットを最大限引き出す」「インバウンド観光を復活させ、訪日外国人旅行消費額の年間5兆円超をめざします」と所信表明演説で発言。インバウンド頼りの経済対策は、コロナ危機で破綻したばかりです。国民の厳しいくらしを直視しない無責任な発言です。
企業が儲かれば賃金が上がるというアベノミクス・トリクルダウン論はすでに破綻しています。大企業の儲けが増えても、30年も賃金は上がらず、内部留保だけが増え続けています。
そもそもGDP(国内総生産)の約6割は個人消費です。国民の収入が増えなければ、購買力が下がり、経済そのものが低下します。岸田政権には、財界の儲けは見えても、日本経済全体が見えていないと言わざるをえません。
賃上げなどの抜本的対策を
くらしを支え、地域経済を活性化するためには、賃金や年金など個人の収入が増える対策こそが必要です。同時に、全国民に影響する消費税の減税・廃止や社会保障費などの国民負担を減らすことが求められます。コロナ危機のもとで、世界の約半数の国が消費税を減税していることからも明らかです。
しかし、政府はさらなる社会保障の国民負担増を狙っています。また、軍事費についても倍増すると言っています。税の集め方と使い方を抜本的に見直し、国民のための政治へと転換することが求められます。