地域医療の拡充待ったなし
11・23 第13回 地域医療を守る運動全国交流集会
▲日本医療総合研究所 研究・研修委員の寺尾正之さんによる記念講演
「第13回地域医療を守る運動全国交流集会」が11月23日、オンライン併用で開催されました。各地の地域医療崩壊の問題を考えながら、地域医療の充実に向けた運動を前進させるため、全国のとりくみを交流。参加者は180人を超え、自治労連からは30人以上が参加しました。
地域医療は住民の健康といのちを守る砦
日本医療総合研究所の研究・研修委員の寺尾正之さんが記念講演。「住み続けられる地域を守る―医療提供体制の再編と公立・公的病院削減政策の破綻と再生―」と題し、コロナ危機で露呈した医療体制のぜい弱性を指摘し、社会保障予算の削減と地域医療構想に固執する岸田政権を批判。そして地域医療は〝面〟で支えていて、住民生活を支える基本インフラであり、健康といのちを守る〝地域の砦〟であることについて参加者に語りました。
独法化による医療提供の後退を許さないたたかいを
特別報告では、東京自治労連の木村文彦さんが東京都立病院の地方独法化について報告。「新型コロナ対応で多くの患者を受け入れ、公立病院として大きな役割を担った都立病院を今年7月から地方独法化した東京都に対し、労働組合などが運動を展開して独法化反対の声を上げてきた。今後は医療提供の後退や規模縮小・採算重視を許さない運動を続けていく」と決意を述べました。
このほか、岩手・宮城における県立病院の統廃合や大阪・京都における地域医療を守る住民運動について報告がありました。
世論をつくり住民の声を自治体に
全国各地の運動交流では、みえ自治労連の新家忠文さんが名張市の地域医療に関する運動について発言。市民アンケートを実施し、その結果を公表したところ、地元メディアが複数回にわたって取り上げ、その結果、名張市立病院の指定管理化を掲げていた市長候補が選挙で落選し、市議会議員選挙では指定管理に反対する議員が躍進したことを報告。今後は、地方独法化の動きがないかを引き続きチェックしながら、地域のいのちを守る運動をすすめていくことを発言しました。
自治労連・小山国治副委員長が「全国各地でとりくまれている住民アンケートや署名、マスコミを活用した運動などで世論をつくり広げ、住民の声を自治体に伝えることが重要だ」と呼びかけました。
▲2022年5月「第93回三多摩メーデー」で都立病院独法化反対を訴える自治労連都庁職