自治体労働者が住民を監視する
「重要土地規制法」問題
▲オンラインで行った11月11日の学習会
今年9月20日から全面施行となった「重要土地規制法」は、米軍基地や自衛隊基地などの周辺地域の土地や建物を利用する住民を監視・情報収集などすることができる法律で、自治体職員が住民監視の役割を担わされる危険なものです。
「重要土地規制法」は、米軍基地や自衛隊基地、原発施設などの周辺1キロメートルを「注視区域」等に指定することができます。指定された区域の土地所有者や建物利用者を「利用状況調査」の名の下で監視・情報収集し、「機能阻害行為」があれば土地や建物の使用中止を勧告・命令できるものです。そして、監視の役割を自治体と職員が担わされます。
区域の指定や「機能阻害行為」の基準や判断も政府の裁量次第となっており、国や自治体が住民の基本的人権を侵害しかねません。政府は、すでに全国58カ所の「注視区域」候補を自治体に提示しており、年内に指定する動きがあります。
住民生活や基本的人権に大きな影響を及ぼす
京都自治労連では、「重要土地規制法」は住民の基本的人権やくらしに大きな影響を及ぼす問題と位置づけ、米軍基地や自衛隊基地がある市町村の組合とともにプロジェクトチームを立ち上げました。京都府内には、自衛隊や米軍基地、海上保安庁施設など「重要土地規制法」の対象となる施設が59カ所あり、少なくない施設が住宅密集地に存在しています。この法律が住民生活や自治体労働者の仕事にどう影響を与えるのかをテーマに自由法曹団の秋山健司弁護士を講師に11月11日に学習会を行いました。
学習会には、米軍や自衛隊の基地がある自治体の単組から参加があり、熱心に学びました。参加者からは、「住民が知らない間に調査される社会の具体化が始まろうとしている。怖い」「これが現場におりてきて職員が協力させられることになれば、本当に怖い法律だ。法律を稼働させず、止めることが必要だ」と感想が寄せられました。