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Collection87 神戸の春を告げる伝統の家庭料理

まちコレ2022年2月号 Vol.579

いかなごのくぎ煮

神戸の春を告げる伝統の家庭料理

兵庫県神戸市

▲炊き立てご飯にのせてどうぞ

神戸っ子のソウルフード、それは「いかなごのくぎ煮」。いかなごはスズキ目イカナゴ科の魚で、関東では小女子(こうなご)とも呼ばれます。2月下旬頃に稚魚の漁が解禁となると、砂糖、醤油、生姜、みりんなどで煮詰めたくぎ煮が多くの家庭で作られ、店頭にも並ぶ神戸の早春の風物詩です。

ご飯と一緒に食べるとまさに絶品。甘辛いくぎ煮とご飯の相性は抜群で、いくらでも箸がすすみます。そのまま食べても、お酒のつまみにしてもまた絶品です。

そんないかなごのくぎ煮ですが、近年はいかなごの漁獲量が減少して手に入りにくくなってしまっています。原因は「海がきれいになりすぎたから」。瀬戸内海はかつて工業廃水などで赤潮が頻発しましたが、廃水処理を強化した結果、海中の栄養素が減りすぎてプランクトンが減り、それを食べるいかなごも減ってしまいました。自然環境は、人間が易々とコントロールできるものではないのでしょう。

▲コープこうべでもパックで販売。90gで861円(22年1月現在)

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