〔95〕トランペットは生涯の趣味 出会えたことが幸せ
2022年11月号 Vol.588
トランペットは生涯の趣味 出会えたことが幸せ
千葉・船橋市職労 西本(にしもと) 誠治(せいじ)さん
▲公立高校合格祝いに買ってもらったトランペットを手に
4月から生活支援課に勤務する西本誠治さん。トランぺッターとして、船橋市を拠点とした2つの楽団「アウローラ・ウィンド・オーケストラ」「船橋吹奏楽団」に所属し、活躍中です。
演奏するならトランペット もっと高いところまで
西本さんの音楽人生は小学生時代、リコーダーにハマったことからスタート。トランペットとの出会いは同級生の演奏を聴いた時でした。そのカッコよさに惹かれ、中学で吹奏楽部に入部したものの、トランペット奏者は既にいっぱい。「学校備品の楽器もないと言われたが、どうしてもトランペットがよかったので、親にも相談せず『自分の分は買います』と言ってしまった」と西本さん。その時のトランペットは今でも愛用しています。
トランペットは音域が高く、メロディラインを演奏する楽団の花形。「普段の私は影に隠れるタイプですが、トランペットでなら目立ちたい。ソロもあるし、とにかくカッコいい! 演奏するなら絶対トランペットがいいです」と熱く語ります。職場に誰よりも早く出勤して始業時間まで練習するなど、上達するための努力を惜しみませんでした。
その成果で、楽団でのソロ演奏やNHK音楽番組への出演、さまざまなコンテストでの入賞を果たしました。しかし思いどおりに演奏できず、くやしい経験もあります。「がむしゃらに吹いてきたけれど、上には上がいっぱいいます。もっと高いところまで行けるよう、練習してうまくなっていくしかありません」
1枚のファンレターが励み 聴いた人を幸せにしたい
そんな西本さんには大切な宝物があります。前述したNHK音楽番組の公開録画でソロ演奏を披露した後日、一枚のハガキが届きました。宛先は船橋市役所、宛名は「トランペット奏者 西本誠治様」とだけ。「あなたのトランペットが一番でした。これからも多くの感動をあなたのトランペットが与えてくれますように」と書かれていました。差出人は「県内在住の主婦」とあり、名前はわかりません。「本当にうれしかった。聴いた人に幸せな気持ちになってもらうことは演奏者の務め。またこのようなファンレターがいただけるような演奏をしたい」と、ハードケースに大切にしまったハガキを見せてくれました。
「トランペットは死ぬまで吹き続けます。生涯の趣味を見つけられたことは幸せです」と、西本さんの夢は高らかに響き続けます。
▲動物の着ぐるみを着た金管アンサンブル「ズーラシアンブラス」主催のソロコンテストで最優秀賞を受賞し、共演
▲船橋吹奏楽団の創設者・箕輪弘之さんの追悼コンサートでソロ演奏(撮影:大木啓至)
▲西本さんYouTubeチャンネルはこちらから