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ナゼ?ナニ?自治体DX [3] 経験重ね、住民と向き合う職員配置が必要

各自治体で「デジタル化(自治体DX)」に向けた議論や準備がすすむなか、あきらかになる課題や問題、現場の声を掲載します。前号に続き、自治労連「デジタル化と公務のあり方問題対策委員会」の伊藤英一委員(愛知・豊橋市職労委員長)に話を聞きました。

国がすすめる「デジタル化」の方針では、住民サービスの低下、職員削減などの問題が危惧されます。「自治体戦略2040構想」では、職員を半減する内容が示されています。正規職員と非正規職員の区別を撤廃して全職員を会計年度ごとに契約更新する「共通会計年度任用制度」導入をねらっています。AI導入と民間委託の拡大、標準準拠システムへの移行はそのための準備です。

AI化でもなぜAIがそのような回答をしたのか職員みずから検証できなければ、説明責任が果たせません。職員がチェックできる体制が必要です。また、基幹業務システムの「標準化」では、自治体が独自に行っている負担軽減などの住民サービスが実施できなくなる可能性があります。カスタマイズに財政負担が生じるからです。

そもそもデジタル技術に過度な幻想を抱いてはいけません。1990年代にパソコンが職場に登場し、文書作成や集計などの業務効率は一部向上しましたが、ますます忙しくなり、住民と向き合えないのが現状です。

いくらデジタル技術がすすんでも、災害や大規模停電、システム障害が起きた時に、住民サービスを継続し、復旧するまでは職員が対面で対応しなければなりません。ノウハウを継承し、実務を経験する職員を配置し続けることが必要です。

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