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子どもたちをしっかりと守り育てよう

子どもたちのために保育士を増やす運動を 自治労連愛知県本部 保育所部会

「4・5歳児30人にわずか1人の保育士」。70年以上変わらない国の保育士配置基準では、保育現場は限界です。いま「子どもたちにもう1人保育士を!」の声が大きく広がり、保護者と地域住民、愛知県本部保育所部会など労働組合でつくった実行委員会のとりくみが注目されています。

「ごめんね」減らし子どもの気持ちに応える保育へ

名古屋市職労の坂本将取さんは、保育士として4歳児25人を受け持っています。「短時間の会計年度任用職員と私を入れて3人で対応している。それでもまだまだ足りない」と話します。報道される各地での痛ましい事故にふれて、「あってはならないこと。園庭などで児童を見失うと心臓がキュッとなる。一刻も早く改善が必要だ」と強く訴えます。

また、「泥団子づくりに夢中になっている子に『ごめんね』といって切り上げさせ、次の行動に促している。でも、もう1人保育士がいたら、子どもへの『ごめんね』は減っていく」「子どもの『今やりたい』の気持ちに応える保育が生まれる。子どもたちの今をあきらめたくないと多くの保育士が考えている」と思いを語ります。

「子どものために」の一致点で大きく広がる共同

昨年2月に「子どもたちにもう1人保育士を!」と、園児の保護者と地域住民、労働組合による実行委員会が結成されました。実行委員会は保育者や保護者へのアンケート、シンポジウム、記者会見を精力的に展開し、共同の輪を広げてきました。アンケートには「今の配置基準では子どもを守れない」、保護者からも「もっと保育士を配置してほしい」と多くの声が寄せられました。

共同が広がるなか、坂本さんは自身の経験を四コマ漫画「崖っぷち保育」で表現。SNSに投稿すると「子育て中の同級生からも共感のコメントがつくほど、反応が良い」と話します。

そして、11月20日の「世界こどもの日」には約900人が集まり、名古屋市内をパレード。他県からも参加があるなど大きく成功し、全国に報道されました。

公立保育園の役割発揮するために「配置基準見直し」の声をあげよう

保育の魅力について「子どもの面白がることや感動すること、心揺さぶられた瞬間を同じ目線で一緒に味わい、心のつながりを感じられた時が嬉しい。それを保護者や仲間と一緒に喜び合う瞬間もたまらない」と坂本さん。だからこそ、「公立保育園が率先して人員を増やし、配置基準見直しを求めていくことが必要だ。そのためにも職場からもさらに声をあげていきたい」と決意を話します。

2月には愛知県知事選挙をはじめ議会選挙を控えています。「もう1人保育士を」の要求を実現する自治体づくりが重要です。愛知県本部保育所部会では、職員や保護者、住民の願いを集めて、知事選の予定候補者へのお手紙作戦にとりくみます。

▲名古屋市職労 坂本 将取(まさと)さん

▲坂本さんが描いた四コマ漫画

▲保護者と民間・公立保育士だけでなく、他県からも参加した11月20日の行動(名古屋・白川公園)

▲保育士配置基準の変遷

▲実行委員会が行ったアンケートや活動、提言が載った冊子ができました

▲冊子のダウンロードは愛知保育団体連絡協議会(愛保協)HPまで

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