働きやすい職場環境必要な予算・人員を
自治労連2022~23年「働くみんなの要求・職場アンケート」 職場の実態編
職場でのサービス・不払い残業が減らず、「残業の申請がしづらい」「人員不足」など深刻な状況が続いています。長引くコロナ危機や相次ぐ災害によって心身への影響も大きくなっていることが明らかになりました。
不払い残業と健康被害 すすまぬ職場改善
コロナ危機前と比べて残業が「かなり増えた」8・3%、「少し増えた」14・4%と、コロナにより多忙な職場が増えていることは明らかです。
不払い残業も正規は10時間44分、非正規も7時間45分あります。不払い残業の理由では、「短時間の残業だから」が39・3%と昨年よりも増加し、もっとも高い割合を占めました。「申請しづらい雰囲気がある」も35・6%と高い結果です。
年次有給休暇の平均取得日数は10・87日、「取得0~6日未満」が17・4%、「6~11日未満」29・4%と合わせて5割近くが11日以上の有給休暇取得ができていません。
健康状態は、「毎日非常に疲れる」が25・2%と増加し、「たまに非常に疲れる」の26・3%を合わせると半数以上が疲労を訴える結果となっています。十分な休息も取れず健康が危ぶまれています。
▲サービス・不払い残業の理由
仕事にはやりがい感じるも人員は足りない
職場の人員は「足りない」と感じる労働者が65・1(昨年60・9)%、正規では「足りない」が71・8(昨年67・3)%と前回よりも高くなっています。恒常的な人員削減による職場状況の悪化、負担の増大が続いていることに変わりありません。
仕事のやりがいについては、「非常にやりがいがある」が17・8%、「まあまあやりがいがある」が58・4%で合わせて76・2%と多くの労働者が「やりがい」を感じています。非正規では、83・3%と調査全体よりも「やりがい」を多く感じている結果が出ました。
▲仕事のやりがいについて
賃上げと人員増 働き方改善が強い要求
職場要求は、「賃金・一時金引き上げ」が69・8%、「人員を増やす」が43・1%とそれぞれ昨年より増加しています。「年休取得促進、休暇増」が28・5%と引き続き上位です。「人員配置・人事異動の改善」23・5%、「非正規雇用の待遇改善、正規化」が19・3%、「業務量の削減」が18・7%、「仕事と家庭の両立支援の充実」が16・7%と続き、働き方の改善が求められています。
非正規では、多い順に「賃金・一時金の引き上げ」「非正規雇用の待遇改善、正規化」が大きく増加しています。
「やりがい」に見合った賃金と健康で働き続けられる人員体制強化は待ったなしです。23国民春闘からみんなで声をあげていきましょう。
▲実現したい職場要求
アンケートの声
●保育園は今の倍の人員がほしい。コロナ対策で業務は増えているのに、子ども主体の保育やインクルーシブ保育を求められても実施は難しい。
●学校図書館の仕事量を理解してもらえてない。2校かけもちではやれることが非常に限られてくる。子どもたちの読書は推奨するのにその環境づくりのための職員の賃金はあまりにも低い。
●3年ごとの雇用形態を見直してほしい。その度に履歴書や面接、作文の提出に意味があるのか。いつでも切り捨てられる環境で働かなければならない。
●妊娠・育児中の手当や人員等の対応について手厚くして欲しい。周りの理解が得られなかったり、育休中の低賃金では不安になる。子育てを推進していく立場の公務員がこれではと思う。
●人が足りず、休みも満足に取れません。旅行の予約をしていても、人がいないからと言われ、旅行をキャンセルし出勤しました。消防職員は家族と旅行に行ってはいけないのでしょうか?
●若手は給料が安く、一人暮らしで暖房も使えない。将来結婚をする予定ですが家族を養える自信がありません。
●残業は申請しにくいため、時間外や休日は時間外申請せず仕事をすることが多い。人員を増やすか、仕事の分担を均等にして欲しい。