シリーズ61 いちから学ぶ仕事と権利[ジェンダー平等]
「個人の尊厳」と「法の下の平等」 ジェンダー平等社会の実現を [ジェンダー平等]
3月8日は「国際女性デー」。女性の権利向上とともに憲法の「個人の尊厳」と「法の下の平等」にもとづくジェンダー平等社会の早期実現が強く求められています。
日本国憲法ですべての国民は個人の尊重や法の下の平等などが保障されています。国際的にも性の多様性を認め、女性差別の撤廃やジェンダー平等をすすめる流れです。
しかし、日本では戦前の「家制度」を美化し「性の多様性」を敵視する動きによってジェンダー平等実現が阻まれています。日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中116位(2022年)と最低レベルです。一方、各自治体ではパートナーシップ制度(自治体が同性のカップルに婚姻に相当する関係と認め証明書を発行する制度)などの導入がすすんでおり、現在およそ250自治体に広がっています。
「ジェンダー4署名」にとりくもう
自治労連は、婦人団体連合会などとともに「ジェンダー4署名」にとりくんでいます。「ジェンダー4署名」は、①女性差別撤廃条約選択議定書の批准、②選択的夫婦別姓の導入など民法・戸籍法の改正、③日本軍による「慰安婦」問題の解決、④所得税法第56条の廃止を求める署名です。
日本政府は1985年「女性差別撤廃条約」を批准したものの、条約の実効性を強化する「選択議定書」については、世界115カ国が批准しているにもかかわらず「検討中」のままです。
また、夫婦別姓については、「賛成」の世論は年々割合が増えています。夫婦同姓が法律で定められている国は日本だけで、女性の96%が夫の姓になっています。
日本軍「慰安婦」問題について、政府は公式謝罪も国家賠償もせず解決済みとしていますが、国連人権機関やILOは日本政府に対し、公式謝罪、国家賠償、被害者の人権回復など対応を求める勧告をしています。
所得税法56条は、「事業主の配偶者とその親族が事業に従事したときの対価の支払いは必要経費に算入しない」とし、配偶者や親族を労働者と認めていない問題があります。
すべての国民の人権を保障するための法整備、政府の姿勢の転換を求める声を大きくし、ジェンダー平等社会の実現をめざしています。