すべての職員が魅力を実感できる公務公共職場に
桜井眞吾 自治労連中央執行委員長 あいさつ(要旨)
4年ぶりのリアル開催に、多忙ななか参加されたみなさんと、送り出していただいた職場のみなさん、開催地でご協力いただいた山口のみなさんに感謝を申し上げます。
コロナ感染拡大が始まって3年8カ月、国民のいのち・くらしや生業、日本経済に大きな影響を及ぼしました。新自由主義路線を強行する政府と国民の要求との間に大きな隔たりがあることは明らかです。岸田政権は物価高騰でも国民生活を守るどころか、軍事費増大、核抑止論への固執、マイナンバーカード取得の強制、原発推進と福島原発処理水の海洋放出など民意を無視して強行しています。あらためて職場や国民要求を一体に、政治を根本から変える運動をすすめていきましょう。
公務員採用への応募者が減少し続け、多くの職員が早期退職せざるを得ない状況が全国で起こっています。すべての職員が魅力を実感できる自治体・公務公共職場にしなくてはいけません。1990年代の官僚天下りなどの不祥事を契機に2008年に国家公務員制度基本法が成立しました。しかし、行政の透明化や記録の作成・公開をすすめるどころか、文書の破棄・隠蔽・改ざんが行われ、内閣人事局の設置など集権的な統制が強まりました。また、地方公務員に人事評価制度を義務づけ、給与制度の総合的見直しによって、「全体の奉仕者」として働くことを困難にさせています。
また、マイナンバーカード普及率に交付税を反映させるなど、国は政策を押しつけ、地方自治体を公共サービスの担い手から、政府言いなりの管理する側への変質をすすめています。これでは仕事に魅力を感じることはできません。人員増と職場の改善、非正規雇用の正規化、再公営化など、魅力ある職場づくりと住民の手に公共を取りもどす運動を一体のものとしてとりくみましょう。
この間、保健師の増員、保育士の配置基準見直しに向けた動き、会計年度任用職員の一時金を改善する法改正を実現しました。「子どもたちにもう1人保育士を!」の運動では保護者や実態を知った記者などが担い手になったり、「3Tアクション」では要求が一致する団体や個人とともに行動してきました。
自治労連は「資本からの独立」「政党からの独立」「一致する要求にもとづく行動の統一」の三原則をかかげています。与野党を問わず議員要請を実施し、要求の前進を勝ち取ってきました。そして、新たに2つの地方組織が結成され、運動の広がりを見せています。自治労連運動を確信し、仲間を増やし、さらなる前進を勝ち取りましょう。