今なお続くコロナ感染 現場の声を伝えたい
『新型コロナ最前線 自治体職員の証言2020-2023』を読もう!
▲技師の仕事だけでなく、住民の健康促進のために地域向けに診療所でピラティス教室も開く大川さん(写真はコロナ前)
『新型コロナ最前線』が出版され、大きな反響を呼んでいます。現場の実態について執筆した41人のひとりである高知自治労連医療部会の大川剛史部長に話を聞きました。
へき地の診療所でクラスター発生
私は放射線技師として、中山間部のへき地医療を担っています。『新型コロナ最前線』の出版にあたって、四万十町国保大正診療所内で2022年に院内クラスターが発生した当時のことについて執筆しました。
当時、「第7波」で高知県内はすでに医療機関がひっ迫していました。医療難民を出してはいけないと、高知市内で受け入れを断られた受診希望者も対応していました。しかし、一緒に働いていた仲間も発熱し、陽性の検査結果が報告され、次々と職員や入院患者にも感染していることが判明しました。不安のなかゾーニングや感染防止対策の強化をすすめていましたが、精も根も尽き果てるほどきつかった。そんな時に患者さんから「ありがとう! 暑くて大変やろうけど、がんばって」と感謝の言葉をもらって救われました。全職員が「これ以上感染者を出させない」と協力し合ったことが本に書いてあります。
これからも地域と患者に寄り添っていきたい
執筆する際に、私はへき地診療所の仲間たちの奮闘を記録に残していきたいと強く思いました。
歴史に残る世界的なウイルス感染症のまん延に、高知県四万十川のほとりの小さな診療所でクラスターが発生して、職員がいのちをかけて、患者さん、そして大切な家族や仲間たちを救うために全員が一つとなった。いのちを救うことの大切さや思いをあらためて全国に伝えたいと執筆しました。ぜひ、多くの人に本を読んでいただきたいです。
2023年8月20日発行
大月書店/定価1500円+税
自治労連特別価格で購入できます。詳しくはお近くの組合まで