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子どものいのちと権利を守るために

しごと・くらし・憲法 シリーズ(6)

▲児童相談所などの仲間が集まった前回の全国交流集会(2019年)

憲法は、住民生活と私たち公務公共に働く者の仕事に密接にかかわっています。増え続ける児童虐待について、自治労連社会福祉部会事務局長の二見清一さん(東京・足立区職労)に話を聞きました。

増え続ける児童虐待に対応が追い付かない

児童相談所では、虐待が疑われる相談を受ければ、48時間以内に安否確認と状況を把握し、虐待に該当するか、生命を脅かすような危険な状況かどうか判断。必要があれば一時的に保護します。その仕事にあたっているのは私たちの仲間です。

2022年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待相談は21万9000件。この20年間で9・4倍と、右肩上がりに増え続けています。

一方、児童相談所や一時保護所の体制が追いついておらず、自治労連の府省交渉で改善を求め、一定の増員も実現していますが、「職員の育成が追いつかない」「執務スペースが足りない」「求人しても応募がない」など厳しい状況が続いています。

虐待防止対策の転換「予防的支援」へ

虐待による悲痛な事件が起こると児童相談所へのバッシングがありますが、多くの命を救っている職場でもあります。

憲法第11条「基本的人権」、第25条「生存権」には、当然、子どものことも含まれています。現状を改善するためには、虐待防止対策を「予防的支援」に転換する必要があると考え、自治労連は「こどものいのちと権利を守る」提言を10月16日に発表しました。提言は奮闘する仲間を励ます内容になっています。

また、児童虐待防止には、市民に身近な市町村の役割も重要です。来年2月に児童相談所や市町村の子ども家庭相談担当職員の交流集会を開催するので、ぜひ全国から参加してほしいです。

▲二見清一さん

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