ある市立図書館のレファレンス担当・和久山隆彦は、ゆるい日常に無力感を抱きつつ、レファレンスをこなす日々を過ごしています。そんななか、図書館無用論を展開する本庁からの刺客・潟田（かただ）が副館長に就任します。図書館存廃を巡り、潟田と和久山が議員の前で意見を述べ合うことに…

レファレンスとは、利用者と職員相互の思い込みや勘違いからいかに脱却し、答えに近づくかという人間の営みだと訴える一冊です。実在する書物も登場します。儲からない図書館を自治体が運営する理由は？　身の引き締まる問いに、自分なりの答えを常に持っておかねばと改めて感じます。

光文社
2011年11月
341ページ
価格：748円（税込）