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61冊目 うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

図書館の本棚2023年6月号 Vol.595

61冊目

うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

先崎 学/著

うつ病はこの20年ほどでメジャーになり、希なものという状況はなくなりました。この本は、現在将棋のタイトル独占が時間の問題と思える藤井聡太六冠が、まだ四段ながら連勝に次ぐ連勝で熱狂が起き始めていた時期のもの。40代のプロ棋士がうつ病になり、1年の闘病を経て復帰を果たすまでの手記です。見えないストレスが自覚していない疲労の蓄積となり、ほぼ突然の発症という現実。症状の具体的な記述にも驚かされます。例えば頭の重さを感じるにしても、初期と中期では感じ方が違うようです。症例は千差万別でしょうが、うつ病の同僚のしんどさを理解する参考になるのでは。

文藝春秋
2018年7月
192ページ
価格:1,375円(税込)