子どもたちみんなに素敵な学校図書館を
この仕事に魅力と働きがい
大分自治労連 大分県自治体一般労組図書館分会
▲笑顔で取材を受けてくれた図書館分会のみなさん
学校図書館は子どもたちにとって成長と安らぎの場。大分市内の小中学校では現在60人の学校図書館支援員(以下、支援員)が会計年度任用職員として働いています。労働条件の改善とスキルアップのとりくみをしている大分県自治体一般労組を取材しました。
子どもたちにもっと良い本を届けたい
支援員は各学校の図書館に1人ずつ配置され、図書館の運営の多くを任されています。
学校によって、図書館の面積等は異なりますが蔵書スペースは限られています。新しい本が入れば整理し、毎年蔵書の点検をして、本の状態を確認したり、修繕と廃棄、入れ替えを行います。この作業が何日もかかり大変ですが、子どもたちが利用したいと思えるようがんばっています。選書についても支援員の意見が反映されており、子どもたちにとって有用な本を選んでいます。
子どもたちを守り成長に必要な図書館に
さまざまな事情があって教室に入れない子どもが学校図書館にやってきます。「子どもが来る時間は決まってはいません。担任の先生とも連絡をとりながら対応を考え、そういった子どもたちにとっても、図書館が安らげて、居心地の良い場所になるように心掛けている」と分会のみなさんは話します。
「ただ本を貸すだけではない。本を通して子どもたちの成長を促すこと」が学校図書館と支援員の役割だとより鮮明になっています。
学習交流を重ねて例会でスキルアップ
組合員が中心になり例会(研修)を毎月実施し、優良書の紹介やパソコン研修、悩みの相談も行ってきました。
「先日の例会では、中学校の図書館に新たに配備する日本文学や外国文学の図書について良書選定作業を行いました」「組合員のニーズも多様化して、企画する側も大変です。全国の集会やつどいにも積極的に参加し、スキルアップに努めています」と例会を運営する図書館分会の須田智子さんは言います。
さらに、「支援員は1人職場で、相談することもできず悩みを抱えています。学習や情報の交換は私たちにとってとても重要です。1人でも多くの支援員が例会に参加してほしい」と語ります。
労働条件改善のために仲間を増やしていこう
支援員のなかには1人で2校を受け持つ仲間がいます。週4日勤務で、A校とB校に2日ずつ出勤しますが、かなり大変です。「早く専任化(1人1校体制)を」「任用回数4回の制限撤廃」が最大の要求になっています。
分会を立ち上げた2010年当初は、市教育委員会との団体交渉では、ほとんど相手にされませんでした。しかし、支援員が続々と組合に加入し、当局も職場の状況を理解するようになり、着実に要求が実現・前進しています。「仲間が集まれば当局にも対等にものを言うことができる。組合の力を実感しています」と組合の魅力を語ってくれました。
▲「子どもによる読み聞かせ」なども指導しています
▲例会でグループ討論・意見交換すると元気になります