能登半島地震 住民に寄り添う被災地支援を
▲深刻な被災地の状況
1月1日に発生した最大震度7の能登半島地震によって、2月1日までに240人(関連死含む)が犠牲となりました。今なお、多くの住民が避難生活を余儀なくされ、全国からの支援が続いています。自治労連は1月22日に石川県事務所を訪問し現状を確認しました。また、いち早く被災地の支援に入った名古屋水道労働組合(名水労)の仲間から話を聞きました。
[被災地より] 石川県事務所(消費生活相談員ユニオン石川) 新屋(しんや) 康夫さん
連絡取れない家族や仲間 緊迫した震災直後の状況
震災直後から仲間や家族と連絡の取れない状況が続きました。組合員全員の安否が確認できたのは1月4日です。「車に乗りあって高台の公園へ避難した。財布だけを手にしたが、毛布など防寒具がなくて困った」「出かけているときにサイレンが鳴り、家族で車中に避難している」「生まれて初めての経験で怖かった」「能登にある実家や親戚にも連絡がつかない」「家が倒壊し輪島から7時間かけて金沢の親戚の家に身を寄せている」と互いの情報を共有し、励まし合いました。
私自身に大きな被害はなく、昨年退職した消費生活センターに復職して、震災関連の相談を受けています。震災に便乗した悪質業者による被害相談が増えており、住民の生活を守る仕事の重要性がより増しています。
避難生活続く現地 全国から幅広い支援を
今も石川県だけで1万4600人以上の住民が避難生活を続けています(1月31日現在)。全国からの復旧支援で孤立集落は解消されてきており、電気や水道の復旧も始まっています。ただ、上下水道の復旧にはあと2カ月ほど要するといわれており、しばらく時間がかかります。引き続き、復旧復興への支援をお願いします。このような状況にもかかわらず、石川県の馳(はせ)浩知事は先日、地元新聞で「輪島市など奥能登2市2町の病院を統廃合する」と表明しています。組合員からは怒りの声も上がっています。住民本位の復旧復興が政治に求められていると痛感します。
[被災地に入って] 名水労 伊藤 直洋さん
全戸で深刻な断水 いち早く現地で調査
水道の1次隊として地震発生した翌2日に被災地に向け出発しました。私たち1次隊は、給水活動の調整などでの派遣でしたが、能登半島北部の被災状況が分からないため、急きょ、七尾市、能登町、穴水町、珠洲市を調査することになりました。道路の状況がひどいため、進んではUターンを繰り返し、渋滞も発生していたため、移動に時間がかかり、調査も難航しました。
北上するほど多くの家屋が倒壊しており、えぐれて水道管がむき出しになった道路もありました。調査した4市町の全戸が断水でした。珠洲市では、川から浄水場へ水を引き込む水道管が損傷しており、大きな病院の応急給水が間に合っていない状況は深刻でした。
災害時に対応できる自治体直営の力
1月10日までの派遣で2回、半島北部を調査しました。大変だったのは渋滞とトイレがほとんど使えなかったことです。あと予定外の調査だったので、暖房や寝袋がない役場での一夜は寒さで眠れませんでした。
今回、私は初めての災害派遣でした。一緒に調査に回った仲間の姿や現場に出てがんばっている仲間の活動に、名古屋市が直営で培ってきた力を感じました。また、自らも被災しながら住民のために地震発生直後から対応している被災地の職員のことを思うと体を壊さないか心配でした。この派遣で少しでも復興の力になれたなら良かったと思います。
名古屋市上下水道局では、今後の予定含め2月2日時点で水道隊188人、下水隊134人が被災地で支援活動をしています。活動の様子をX(旧ツイッター)で発信しています。
義援金カンパにご協力ください
自治労連は、1月22日に石川県事務所を訪問し組合員を激励。あわせて石川県庁を訪問し全国からの義援金を届けました。引き続き、自治労連は義援金カンパを呼びかけます。
▲石川県に義援金を渡す小山国治副委員長(左から2人目)と石川県事務所の仲間
▲被災地(内灘町)の状況を視察する自治労連本部