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いま、被災地へ私たちができる支援と行動を 国の責任による抜本的な支援拡充を

能登半島地震から3カ月

▲地震によって倒壊したビルもいまだそのまま(輪島市内)

能登半島地震から3カ月以上が経ちましたが、輪島市や珠洲(すず)市など被害の大きな地域では今も復旧作業もままならない状況です。住民も避難生活が長く続き、疲弊しており、国の責任による抜本的な支援体制の強化・拡充が求められています。各地のとりくみと合わせて、岩手・福島からのメッセージを伝えます。

輪島市・石川県に全国の義援金届ける

自治労連本部と石川県事務所は、3月18日に輪島市を訪問。全国から寄せられた義援金を届けました。輪島市側からは防災対策課の黒田浩二課長が対応。義援金への感謝とともに「全国からたくさんの支援をいただいている。職員も少し体を休めることができるようになった。一般ボランティアの受け入れは県が全体を采配しており、輪島市内は現地の人だけに限っている。いまは奥能登の交通インフラ整備と物資補給が最優先に行われている」と被災地や職場の現状を語りました。

自治労連本部の桜井眞吾中央執行委員長は、東日本大震災での経験と現状に触れながら「復興には長く時間がかかるでしょう。自治労連も引き続き義援金の呼びかけや、ボランティアにも協力していきたい」と伝えました。翌19日には石川県庁を訪問(被災後2回目)し、義援金を届けました。

行政派遣、ボランティア 現場実態を職場で共有

大阪自治労連は、3月7日にオンライン報告会を開催し、被災地での行政派遣やボランティア活動の実情について参加者の報告を共有しました。

報告では、輪島市内で避難所の運営業務を担った仲間は「避難所は長期間過ごせる環境ではない。ライフラインの重要性を改めて実感。特に水道は公が担うべき重要なものだと強調しなければならない」と語りました。また、七尾市・穴水町で給水業務をした仲間は「情報も少ないなか復旧活動が大変だった」と振り返り、「施設設備の被災状況にもよるが、自己水源のある地域は復旧が早かった」と報告。ボランティアに参加した仲間からは「善意の押し付けにならないよう、あせらずに、しっかり被災者の話を聞くこと。現地に入って住民と信頼関係を築いている諸団体の関係を壊さないよう気をつけること。そして活動の記録をつけ共有すること」など、現地での活動ポイントを話しました。

▲輪島市に義援金を届ける桜井眞吾委員長(中央)と石川県事務所の八田好弘さん(左)

万博より被災地復旧を

大阪自治労連

大阪市内で3月3日に「万博ストップ! 3・3府民大集合」が開かれ、能登半島地震被災地(石川農民連会長)からも「大阪万博をやめて被災地に全力で支援をしてほしい」と、ビデオメッセージが寄せられました。

リレートークでは、自治体で働く仲間が「府民の命を守り、安全・安心のために防災予算や人員を増やしてほしい」(府職員)、「万博予算ではなく、子どもたち・市民にお金をまわして」(大阪市学童保育指導員)と訴えました。立場をこえてのリレートークに参加者からは「胸が痛んだ。この切実な現実、府知事にも全部聞いてほしい」「涙がとまらへん」など共感の声が広がりました。

▲大阪自治労連の仲間も結集し、会場いっぱいの800人が参加

東日本大震災、原発事故から13年…

岩手・福島からメッセージ
教訓をいかさない国の責任を問う

岩手自治労連 書記長 新沼 優さん

まだ冬の寒さが続く北陸の被災地で冷たい床の上に薄い毛布1枚の避難所の様子を報道で見ました。東日本大震災の教訓が生かされていないことに憤りを感じます。助かったはずの命が避難所で失われている現実は、政治の責任を厳しく問うものです。岩手では大震災13周年の行事が行われ、能登半島地震の被災地にも思いをはせました。住民のみなさん、職員のみなさん、くれぐれも無理はせず、ご自愛ください。

二度と福島の悲劇を繰り返さないで

福島県本部 委員長 笠原 浩さん

能登半島地震で志賀原発に外部電力トラブル等があったと報道され、大変心配しました。福島では原発事故による放射能汚染でふるさとの姿は大きく変わりました。廃炉問題や処理水(汚染水)の海洋放出など、復興は今もなお「道なかば」です。今年も県民集会に多くの住民が集まり、「二度と悲劇を繰り返さない」と誓い合いました。引き続き、すべての避難住民へのきめ細かな対応が国に求められています。

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