仲間を増やし大幅賃上げへ
8月人勧「給与制度のアップデート」 最賃改定に向けて各地で運動すすむ
人事院勧告と最低賃金の改定が8月に予定されています。世論の声を受け、いずれも大幅な引き上げが期待されています。一方で「給与制度のアップデート」では、私たちの働き方に大きな影響を及ぼすことが考えられます。働きがいがあり、魅力的な職場をつくるために仲間を増やして要求実現をすすめましょう。
▲全体で8149筆を集め、総務省(右端2人)へ要請する茨城、埼玉、千葉の仲間
「地域手当の大くくり化」で3地方組織が合同要請
地域間の格差是正を
人事院は昨年、地域手当について「大くくり化とするなど検討を行う」と言及。地域手当の支給率について、何らかの見直しを行う見込みです。
地域手当は、地域民間給与水準に合わせるとし、市町村単位で3%~20%までの7区分の支給率が定められています。しかし、全国の8割の自治体は支給率0%で、支給率の差はそのまま給与水準の格差となり、人手不足に拍車をかけて、地域間格差や人口流出の原因ともなっています。
こうした現状と動きに対して、茨城自治労連、埼玉県本部、千葉県本部が合同で、格差是正を求める署名を集め、6月4日に総務省へ署名提出し、要請を行いました。「20%支給地と未支給地では、生涯賃金で4000万円以上の差が出る」と改善に向けた対応を求めました。
成績・成果主義の強化 職場の分断を許すな
全世代での生活改善を
人事院は、「給与制度のアップデート」について、骨格案で「最優秀者へのボーナスの上限引き上げ」「係長級から本府省課長補佐級を対象とする級の最低水準の引き上げ」に言及しており、さらなる成績主義の強化がねらわれています。
成績主義では、ごく一部の職員だけが優遇され、チームワークが重要である公務職場に分断を招くだけです。すべての公務関係労働者が働きがいと希望を持てる制度が必要です。抜本的な人員確保と、若手職員も中高年層も一体での賃金引き上げこそ重要です。
自治労連近畿地方ブロック協議会は、この間「アップデート」学習を行い、近畿公務共闘に結集して6月21日の人事院近畿事務局交渉に参加。「全世代の生活改善につながり、将来的にも上昇が見込める給与体系を」と改善を求めました。
▲人事院近畿事務局との交渉。要求書を渡す大阪自治労連の坂田俊之委員長(左)
雇用の安定と最低賃金大幅引き上げを勝ち取ろう
非正規労働者の処遇改善を
人事院は国の非常勤職員の「再度の任用」について、「3年ごとの公募」要件を見直す予定です。これは全国各地でとりくんだ運動の成果です。いまだ国の取り扱いに準じて公募にこだわる自治体に対して、「公募なしの継続雇用」を勝ち取りましょう。
また、最低賃金時間額の改定について「全国目安」を決める中央最低賃金審議会が6月25日から始まりました。この間、私たちの運動と世論の高まりを受け、最低賃金は大きく引き上がり、昨年は全国加重平均1004円となりました。
会計年度任用職員の賃金についても地域の最低賃金額を考慮するよう総務省も通知しています。賃上げ要求とともに最低賃金大幅引き上げを求める運動も強めましょう。
▲中央最低賃金審議会が行われた厚生労働省前での宣伝行動(6月25日)