#これが言いたい [地方分権]
緊急事態における自治体に対する「国の指示権」を盛り込んだ地方自治法改正案が、6月19日、自民・公明・維新・国民民主などの賛成によって可決されました。
「国の指示権」は、対等平等の関係を本旨とする地方自治への介入であり、これまでの地方分権の流れに逆行するものです。各自治体からも「国がいつも正しいとは限らない」との懸念が繰り返し表明されています。自治労連も、職場や街頭で「指示権」の危険性を訴え、6月の省庁交渉でも追及しました。
個別法の規定がなくても国が「必要」と判断し、閣議決定すれば指示権が発動でき、政府の解釈次第でどのような事態にも当てはまり、自治体にとって「白紙委任」になりかねません。「慎重な運用を」求める意見書を出す地方議会もありました。
「国の指示権」は、私たちの働き方にも大きく影響を及ぼします。災害や感染症対応だけでなく、安全保障の名のもとの軍備強化にかかわる業務、原子力発電所と廃棄施設の建設などにも適用されかねません。住民のために働きたいのに、住民が望まないものを国の指示権のもとで自治体職員自ら実行せざるをえない状況に追い込まれます。
職場の仲間や地域住民とともに「国の指示権」拡大の問題点について学習を深め、国の指示権発動を許さない運動を大きく広げていくことが重要です。「憲法キャラバン」などの機会を通じて、自治体当局とも懇談や要請をすすめ、地方自治を守る協同をすすめていきましょう。